そして5月にはソウルの自宅で自殺を図り、病院へ搬送。一命を取り留めるが、深刻なうつ状態だったと伝えられ、本人も後日、SNSで「うつ病は(克服するのは)簡単じゃない。(中略)芸能人は誰よりも私生活ひとつひとつに気をつけなければならないし、家族や友人にも言えない苦しみを持っています」と、苦しい胸の内を明かした。
しかし、ハラさんはここで打って出る。ままならない韓国での活動をあきらめ、再起のチャンスを日本に懸けて、大手芸能事務所の尾木プロと契約を結んだのだ。自殺未遂からわずか1か月後に、日本での本格再始動を発表した。
「応援したい気持ちがありつつも、早すぎる復帰に、精神状態は本当に大丈夫なんだろうかと心配だった」(KARA時代からのファン)。
最後の言葉は「おやすみ」
復帰第一弾として出演した地上波の音楽番組で、生放送中、衣装がずり落ちてしまうハプニングが起きるが、最後まで歌いきり、「ハラハラしました」と機転の効いたコメントで答え、プロ根性が絶賛された。その後も順調に見えた日本活動だったが、10月に親友ソルリさんが死去。
それでも、悲しみをこらえて11月に念願のソロデビューシングル『Midnight Queen』をリリースし、プロモーション活動を敢行。11月14日から19日までは全国4都市を巡るZeppツアーを予定どおり開催した。
「シングルの売り上げは残念ながら大ヒットとは言えず、ツアーも会場によっては空きが目立ったようです。それでも、公演中は笑顔で元気にパフォーマンスをし、『日本で成長する姿をみなさんに見せたいです』とファンに決意を語っていました」(前出のライター)
ツアー最終日の東京公演を密着取材した韓国の芸能ニュースサイト『ディスパッチ』は、ハラさん自身が語った言葉として、ツアーレポートに以下のコメントを掲載。
「韓国のファンが日本活動を嫌がって、また悪口言われてしまうかもしれません。でも、このツアーの様子を記事にしてもらいたいです。私が一生懸命、生きていることをお見せしたいです」
ツアー終了後、「用がある」と関係者に言葉を残し、韓国に戻ったというハラさん。そして11月23日の夜、ベッドに横たわった自身の写真とともに「おやすみ」というメッセージをSNSに投稿し、この世を去った。享年28。自宅には、人生を悲観する内容の手書きのメモが残されていたという。
「どうして、ツアーでは元気な姿を見せてくれていたのに。うそだ、信じない!」
「天国でソルリちゃんと仲よく過ごしてください」
「苦しみから解放されたかな。今までありがとう。一生忘れません」
SNSでは、ハラさんの突然の死を悲しむファンの声があふれかえり、ダレノガレ明美らハラさんと親交のあった日本の芸能人も哀悼の意を表した。ソウル市内の病院で行われた葬儀には、KARAの元メンバーが参列したほか、日本再始動をサポートしたといわれるジェジュンの姿もあったという。
死の直前まで、まばゆいスポットライトの中で笑顔を見せ、明るい未来に向かっているように見えたハラさん。彼女の心中に隠された闇に誰も気づくことはできなかった。