「救急隊が駆けつけたとき、玄関先でうつぶせに倒れていた大日向さんの足の裏が見えたんです。黒紫に変色していて、最初は孤独死かと……」
と近所の住民は振り返る。
青森県八戸市の無職・大日向茂子さん(81)が変わり果てた姿で発見されたのは11月2日のことだった。買い物に行く約束をしていた知人女性が、電話に出ないことを心配して自宅を訪ねると、首に礼服用の白いネクタイを巻きつけられ亡くなっていた。
室内に残されていた財布には現金が入っておらず、玄関には花びんの破片が散らばるなど争ったような痕跡があった。多くの知人が「活発で気配りもでき、恨まれるような人ではない」と口をそろえた。
「死因は窒息死。現場の状況などから殺人事件として県警八戸署に捜査本部が設置され、80人態勢で不審者の洗い出しが始まった。情報提供を呼びかけるチラシを配るなど捜査が難航しているようにも見える中、逮捕されたのは意外な女だった」(地元の記者)
逮捕された女の正体
県警は同24日、被害者宅から約5・1キロ離れた市内に住む無職・久保田良子容疑者(59)を殺人の疑いで逮捕。強盗目的の疑いも視野に入れて調べを進めている。
「容疑者の認否や供述について、県警は“裁判員裁判の対象”という理由で明らかにしていない。しかし、犯行に使われたネクタイから採取したDNA型は容疑者と一致している」と前出の記者。
大日向さんより22歳下。主な生活圏も離れており、75歳で運転免許を返納した大日向さんには遠い人物だ。