もうひとつの理由として、現代の少子化時代に“男子を産まなければならない”というプレッシャーを、女性皇族に強いるべきではないと思うからです。例えば雅子さまも、皇太子妃時代にお世継ぎ問題のプレッシャーで体調を崩されてしまいました。
現行制度のままであれば将来の皇室は悠仁さまのご家族だけになり、悠仁さまと結婚する女性も雅子さまと同じか、それ以上の重圧がかかるおそれがあるため、男女関係なく皇位を継承できるように対応すべきだと思っています」
国士舘大学特任教授と日本大学名誉教授を兼任する百地章さんは、男系男子で維持してきた皇室の伝統を重視し、『旧宮家』の復帰で皇室を存続すべきだと語る。
「旧宮家には600年を誇る歴史があり、皇族の血を継いでいる若い方々が教育を受ければ、立派な皇族になると思います。美智子さまや雅子さま、紀子さまなども民間から嫁がれていますが、ご立派にお務めをまっとうされているので、旧宮家の方々も同じように、だんだんと国民から受け入れられる存在になるでしょう。
どんな方かわからない成人の男性が突然、皇室に入るよりも、皇族の血を継ぐ名家である旧宮家を復帰させるほうが、国民の理解も得られると思います」
旧宮家は天皇ご一家とも緊密な交流
旧宮家は、現在の皇室ともかなり近い関係なのだという。
「過去には男系男子の伝統を絶やさないため、8親等や10親等も離れた方が皇位を継承した前例があります。
東久邇家の現当主は今上天皇のいとこ、久邇家の現当主は上皇陛下のいとこで、かなり近い関係なのです。復帰していただくと想定しているのは、そのお孫さんたちです。さらに、今回の即位礼や皇族の結婚式、葬儀などでも旧宮家のための席が設けられていますし、現皇室の方々と緊密な交流のある方々なのです」(百地教授)
しかし、前出の河西准教授は、現在の象徴天皇のあり方から旧宮家に対して懐疑的だ。