お心遣いから祝賀パレードも延期へ

 11月9日に政府主催で行われた『国民祭典』でも、陛下は「被災された方々が安心できる生活が、1日も早く戻ることを心から願っています」と、台風被害に遭った被災者を気遣われた。

「両陛下は、台風の被災地をとても心配されていて、『即位の礼』のリハーサルをしていた時期から、早期のお見舞いを望まれていました。実は“即位礼より前に、一刻も早く被災地を訪れたい”という思いさえ、両陛下はお持ちだったそうなのです。

 しかし、被災した10月から11月は、即位関連の儀式で日程がつまっており、一連の行事が終わった12月下旬でのお見舞いに決まりました」(侍従職関係者)

九州北部を襲った豪雨で福岡県の自宅が全壊した高齢女性の手を握り、しゃがみながら励まされた雅子さま('18年9月)
九州北部を襲った豪雨で福岡県の自宅が全壊した高齢女性の手を握り、しゃがみながら励まされた雅子さま('18年9月)
【写真】十二単をお召しになって伊勢神宮に即位礼の終了を“奉告”された雅子さま

 一方で、両陛下が被災者を案じる強い思いもあり、本来ならば10月22日に行う予定だった祝賀パレードもぎりぎりになって延期された。

「被災した各県から派遣する予定だった約1800人の警備用の警察官を急きょ他県からかき集めていましたし、直前で延期や中止にすると、関係者に大変な負担がかかるので、予定どおりに決行するだろうと言われていました。

 しかし、直前になって被災者への配慮を理由に延期になったのは、両陛下の思いが影響したことに間違いありません」(政府関係者)

 さらに雅子さまは、11月10日に延期された祝賀パレードの際にも、被災者に対してこんなこまやかなお心遣いを見せられていたそうだ。

「当日はティアラと純白のドレスをお召しになって祝賀パレードに臨まれた姿が、全国に生放送で中継されました。

 実は、雅子さま“このドレスが苦しい状況にある被災者の方々にどう映るのか、華やかな衣装がはたして適しているのか”を熟考した後、衣装を選ばれたそうですよ」(前出・宮内庁関係者)

 そもそも被災地へのお見舞いは、'91年の上皇ご夫妻による長崎県・雲仙普賢岳から始まり、両陛下に受け継がれた。おふたりは、皇太子ご夫妻時代からたびたび被災地に足を運ばれている。