絶好調の連続テレビ小説『スカーレット』戸田恵梨香演じるヒロイン・川原喜美子が、陶芸の魅力に魅せられ、物語はさらに加速していく。ドラマの誕生からかかわる制作統括・内田ゆき氏と、チーフ演出を務める中島由貴氏に、撮影の裏話から見どころまで、まるっと解説していただきました!

描きたかった“朝ドラ”

「これまで“朝ドラ”にはさまざまな主人公がいましたが、私がやりたいのは人生の一時期だけを描くのではなく、半生を描いた作品。また、誰かを助ける人ももちろん素敵ですが、自分の手で何かを成し遂げる人をやりたいと。

 今回は陶芸家ということで、喜美子自身が自分の手で作品を作り上げ、しかも焼き上がりを見たら予想外の色になっていることもある。まるで陶芸とは、人生のようだなと思ったんです」(内田ゆき制作統括、以下、内田)

“生活者”へのこだわり

「陶芸家になるお話なので、普通は芸術家っぽい展開になりがちだとは思うんですが、今作ではなるべく“生活者”としての描写を大切にしたいと考えています。例えば会話しているシーンでも、ただ立って話しているのではなくて、何か作業をしながら話すなど、日常を生きている人を描く、ということに重きを置いています。

 才能だけで、周りから上げ膳据え膳され生きてきた主人公を描くのではなく、日々の生きざまや人間関係など、ディテールをより丁寧に作ろうと」(中島由貴チーフ演出、以下、中島)