ご両親から未来の天皇陛下へ
今回の大会終了後、佳子さまと悠仁さまは、スピーチをした出場者と懇談もされた。
耳が不自由な弟のために家族で手話サークルに通ったというエピソードを発表した、福島県代表の中学3年生・石山心南さんは、そのときの様子をこう話す。
「佳子さまから“手話を使う際に大切にされていることは何ですか?”と聞かれました。悠仁さまからは“家族の中でも手話を使うのですか?”と聞かれて“弟は、まだあまり手話を使えないので、『ダメ』といった簡単な手話だけを使っています”と答えました」
昨年の西日本豪雨の被害にあった際、家族の温かみを感じたという、島根県代表で中学3年生の矢萩勝希さんは、悠仁さまの“被災地へのお気遣い”を感じたという。
「悠仁さまから(西日本豪雨で)“家の中にはどのくらいまで水位が上がりましたか?”と聞かれ、災害の状況にご関心がおありなのだと感じました。佳子さまとご一緒に私の大工の夢を応援するおことばもいただいて、とてもうれしかったです」
被災状況へのご関心は“ご両親からの影響”が大きいと、前出の山下さんは話す。
「被災者に限らず、障碍者や高齢者など、困難な状況にある人々に心を寄せ続けるのが皇室の姿勢です。まだ中学1年生の悠仁親王殿下が、被災状況や過去の戦争にもご関心がおありなのは、普段からご両親にそれらに関する話を聞いておられるからでしょう。
ご両親は“国民とともに歩む”というのはどういうことかを、ご自分たちの活動を見せることなどで、悠仁親王殿下に伝えておられるのだと思います」
“未来の天皇陛下”は、少しずつ歩みを進めている──。