番組側が、クロちゃんという「素材の魅力」を、最大限に引き出しているからこそ面白いのではないかとも指摘する。

「たとえばクロちゃんが、普通に単独ライブをやっても、警察が来るようなことにはならないと思います。あの番組での、あの状態のクロちゃんが見たいんです」(同放送作家)

「最低な人物」として描かれるクロちゃんに魅力があるというわけだ。また企画名の『MONSTER』にも、クロちゃんを使う意図がふんだんに含まれているという。

「『嫌だ』『気持ち悪い』を感じる楽しさがあるんです。やりたい放題のモンスターは倒すべきもので、本当に倒してもそれは正義であって、罪悪感は生まれません。みんなでモンスターを倒したり窮地に追い込むことを共通体験のように楽しめる企画。そこがよりウケている理由のひとつではないでしょうか」(同)

『豆柴の大群』のデビュー曲『りスタート』の作詞はもちろんクロちゃん。MVのYouTube再生回数もうなぎのぼりで、各メンバーが開設したツイッターのフォロワー数も、それぞれわずか2日で10万人に届く勢いだ。突如、現れたアイドル界の「新星」の人気は本物になるだろうか。

「よくも悪くも番組ありきなので、今後のクロちゃんの処遇が運命を握るのではないでしょうか」

 と、あるアイドル系ライターは言う。今回のCDはジャケット違いの3形態での発売となり、最も売れた種類がどれかによって、クロちゃんのプロデュース続行、解任、解任プラス罰と、処遇が決定されるというルールが設けられている。

「ある意味、かなりの“ドーピング”ですが、アイドルのCDの新しい売り方が見つかったともいえます。彼女たち4人の人気がどこまであがるかにかかっていますが、長い目で見れば、クロちゃんがプロデューサーを続投したほうが面白いとは思います」(前出・アイドル系ライター)

 クロちゃんの処遇は、25日の番組内で発表される。

<取材・文/渋谷恭太郎>