ヒヤヒヤするような変化はあった方がいい
デビュー20周年という節目の年の心境の変化は、ヴィジュアル面にも大いに現れた。夏には神宮球場での始球式、世界最大のアニソンイベントへの出演。ロックで中性的でセクシー。新たな魅力を爆発的に開花させる。『タマホーム』のCMも話題をさらった。秋にはインスタグラムも開設。氷川きよしの加速度的進化が止まらない。
「インスタ、すごく楽しいですよ。おこがましいんですがアーティストとしての自分を表現していきたい。おしゃれやファッション、メイクも大好きなので」
開設1か月でフォロワー数は9万7000人超え。今なお、雪玉を転がすように増大している。自撮りやオフショットをアップするたび、SNSとスポーツ新聞は大騒ぎ。“Kiiちゃん、キレイ”など、その美しさを称賛するコメントも多数寄せられている。
「みんな本当に優しいですよね。今は、自分の好きなことをやっているからストレスフリー。逆に、ストレスを抱えていることは身体によくないですよね。心と身体はつながっているから、心の充実が身体の充実になっているのかな、とは思います」
ピカピカの肌とキラキラの笑顔がまぶしい。演歌界で確固たる地位を築いていたなか、新たな自分をさらけ出すことは、勇気が必要じゃなかった?
「勇気、いりましたね。演歌だけが好きな方もおられると思うので。でも、自分はステージに上がる側なので、やっぱりギャップは必要。“えっ!?”と思われるような、どこかヒヤヒヤするような変化があったほうが絶対にいいと思うんです」
恩人でもある亡き会長には、よくこう言われていた。“芸能人は笑われてなんぼだ”。
「'20 年はもっと大胆にやろうかと思っていて。またキャラ変しますよ(笑)。テーマは“自分を生きる”。今は歌うことが本当にすごく楽しくて。ますますいろんな歌を歌いたい。
自分にとって歌は剣であり、衣装は盾。それらをもって、勇者のようにたくさんの方を照らしていきたい。同時に、たくさんの傷ついた心を癒すナイチンゲールでもありたいんです」
20回目、節目の紅白
「やっぱり20周年の節目の年なので、出させていただきたいという気持ちは強かったです」
大みそか恒例の『第70回 NHK紅白歌合戦』。'19年も出場おめでとう! 五木ひろしの49回目、郷ひろみの32回目に次いで、きよしくんの出場回数は白組で3番目に多くなっている。
「みなさんがこの1年、応援をしてくださったことで出演できる、年に1回の素晴らしい歌の祭典ですから。年の始めから、“とにかく年末に向かって”という目標を掲げてやってきたので、本当に感謝しています。幸せです。とにかく一生懸命、心をこめて歌います。みなさんが喜んでくれたらいいな、と思っています!」
スタイリング/伊藤典子(hoop) ヘアメイク/助川良幸(Allure)