ご主人が10歳以上若いカップルが増えている

益子「いろいろと主人にお願いしましたね。どこかの神社で子宝のご利益があると聞いたら一緒にお参りに行ったり。験担ぎで赤いパンツをはかせたり(笑)。いま思うと、お守りも増えていましたね。さるぼぼ(※)を手に入れるために奥飛騨まで行ったりもしました(笑)」

西川最近、ご主人が10歳以上若いカップルが増えていて、私が相対的に見ていて、そういったご主人はだいたいみなさん優しいですね

益子「年が近いとか、ちょっと年上の方などは協力してくれない男性が多いんですか?」

西川「協力はしてくれますが、体外受精ではなく自然じゃないとイヤだとか、そういった人はまあまあいますね」

益子「夫婦でクリニックに来て、旦那さんが精子を採取するのにエッチな本とかビデオを見させられて、ということが屈辱的だなんて男性が言ってるのを聞いたことがあるんですけど、何を言ってるんだ、と。どうしてやろうかと思うくらいに腹が立ったことがあって(笑)

西川女性が受ける精神的ダメージや、身体的な苦痛とは比べものにならないですからね。そんなことを拒否するな、と(笑)。いま不妊治療を受けられていて、いろいろ悩まれている方がたくさんいらっしゃると思います。そんな方たちにご自身の経験からアドバイスはありますか?」

益子「目標設定というか、私のように何歳までと決めて、その期間、後悔はないというくらいやり切る。私、現役時代以上に不妊治療の3年間に集中したという自信があります(笑)。自分にこんな集中力があったんだな、というくらい。

 私は挫折しましたけど、人の意見で中途半端にやめたわけではなく、自分の意思で決めたことですから、ある意味スッキリしました」

西川「益子さんは“挫折”ではないですよ。やりきったんですから。やり尽くして、ご夫婦で新たな道に進まれたということでいいじゃないですか」

益子「そうですね。それじゃあ、“卒業”ですね(笑)」

※飛騨弁で猿の赤ん坊という意味の人形。子宝・安産・夫婦円満のお守りとして人気


●PROFILE●
にしかわ・よしのぶ 
西川婦人科内科クリニック院長。医学博士。医療法人西恵会理事、日本産科婦人科学会専門医、日本生殖医学会会員、日本受精着床学会会員、大阪産婦人科医会代議員ほか
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ますこ・なおみ 
スポーツキャスター、元バレーボール全日本代表選手。'84年に高校3年生で全日本代表のメンバーに入り、'85年にイトーヨーカドー女子バレーボール部に入団。'92年に引退後はキャスター、タレントとして活躍