オーナーの90%が過労状態
オーナーの年収が400万円以下という店舗もざら。前出・酒井氏も労働時間が400時間を超える月もあるというが、年収は300万円以下だ。
「時給を上げたくてもなかなか上げられない。もし上げられたとしても従業員には主婦も多く、夫の扶養のため今度はシフトに入れる時間が減ってしまう。外国人ですら集まらないから結局はオーナーが働くことになります」
とBさんは苦悩をのぞかせた。
「オーナーの90%が過労状態。過労死一歩手前の人もいます」(前出・Aさん)
負担が増えれば辞める店も増えることも考えられるが、
「飲食物や日用品の販売だけでなく、銀行や役所の機能もあり、社会インフラの一部として位置づけられ、生活に欠かせないものです。だからオーナーが辞めて店がなくなったからとすむ問題じゃない。店舗数が少ない郊外では住民生活に影響が出る可能性がある。だからこそ、消費者のみなさんにも現状を知ってほしい」
と前出・酒井さん。さらに、
「営業時間、ロイヤリティーの問題など1社だけでなく業界全体で見直す必要があります。そして労働時間や最低賃金など、フランチャイズのオーナーを守る法律も日本にはありません。業界を変えるためには法整備や本部に対して改善命令を出せる行政機能の設置も必要だと思います」
前出・Aさんは訴える。
「私たちオーナーも普通の生活がしたいと願っています。利用者も含め、みんなでコンビニのあり方やその働き方を考えなくてはいけない」
'20年はコンビニ問題にとっても大きな変革がある年になるのだろうか。