それによると、この従業員は2月15日から23日の間にも複数のライブイベントに参加。16日から28日まで同店で勤務してキッチン業務を行っていたという。
「Xさんはとても仕事熱心で、ずんどう屋とはま寿司のアルバイトを掛け持ちしていたんです。はま寿司は正直に公表しているのに、ずんどう屋は公表していないので、おかしいと思います。Xさんも心苦しいのではないでしょうか」(同)
公表しなかった理由
ずんどう屋を運営するZUNDの広報担当者に感染者が出たことを尋ねると、「事実です」と認めたうえで、公表しなかった理由をこう説明した。
「保健所とも話し合い、指導も受けたうえで、Xが発症したら、公表しようと考えていました。結局、発症しなかったのが、公表しなかった理由です。はま寿司さんは感染が発覚した時点で公表されていますが、そこは企業の判断の違いではないでしょうか。幸いなことに、X本人も3月12日に陰性の結果となりました」
結局、摂津西店では13日の昼の時点では、営業は再開しておらず、8日からの臨時休業も理由を発表していなかったため、客からの問い合わせが多数寄せられたようだ。
「そういった方々には正直に感染者が出た事実を伝えましたし、公表しなかった理由も同じように告げて理解してもらっています」(広報担当者)
客側に感染者が出ている可能性も否定できないので、不特定多数の人間が出入りする飲食業としては、公表する道義的責任もあると思うが……。
両店がある摂津市や茨木市などを管轄している大阪府茨木保健所に公表や対策について聞いた。
「もちろん、店には消毒をすることを促しますが、いつから営業を再開するかは、店側の判断に任せています。また、公表についても、すべきかどうか、いつの時点で公表するのかなど、これもすべて店側の判断に委ねております」
飲食店が何日も休業することは死活問題になるので、公表をためらう気持ちはわからないでもない。
しかし、いまだ未知の部分も多いウイルスだけに最大限の情報公開は必要なはず。それを促すためにも、休業などに伴う損失は国が支援するべきだろう。