基礎代謝を上げるコツですが、すぐに始められることとして「呼吸」と「歩く」、この2つについてポイントをお伝えします。

【呼吸法のポイント】

1)新鮮な空気をたくさん体に入れるためにはまずは息を吐き切ることが大切です。肩の力を抜いて「ハア〜」と声に出して全部吐き出します

2)次に鼻から5秒程度吸います。胸に風船が入っていてそれを大きく膨らませるように吸います

3)今度は口笛を吹くように口を尖らせて「ふう〜」とゆっくりじっくり10秒以上かけてもうこれ以上吐けないというくらい吐き切ります。体全体の筋肉を緩ませ風船の空気が徐々に抜けていくようなイメージで行ってください


※猫背で固めた肋骨は肺の膨らみを制御してしまうので、息を吸う時は両手を広げて少し後ろに広げます。

 この肋骨を広げる時に肋間筋といって、肋骨と肋骨の間にある筋肉を伸ばしたり縮めたりすることも筋力アップにつながります。また横隔膜をしっかりと動かすことによって内臓への刺激を促し、自分で腸もみをする効果も期待できます。また猫背改善のためにも肋骨の柔軟な動きは大切です。

 今度は、正しい歩き方のポイントです。

【正しく歩くポイント】

1)自分の前に幅20センチの平均台の上を歩くイメージで足を運びます。だいたいご自分の靴1足分の幅からはみ出さないように足を出していくといいでしょう。正面に姿見など鏡を置いて鏡に向かって歩くと足がちゃんと運べているか確認できます

2)後ろから前に出す足は親指の付け根で蹴り出すようにします。そうすることでお尻や太ももの後ろ側の筋肉もちゃんと使える歩き方になっていきます

3)肩甲骨を動かすように腕は後ろに振りましょう

普段の歩き方を改善し、健康な体を作る

 肩甲骨と肩甲骨の間にはダイエットスイッチと呼ばれる場所があり、両方の肩甲骨がちゃんと動くことで体全体の脂肪を燃焼させやすくなります。

 歩き出す前に呼吸をして、肋骨を丸めないような姿勢を作り、その背中の角度を保って歩いてみてください。体温が上がる感覚や、指先まで血液が巡っているイメージを持ちながら歩くと、さらに効果が上がり、基礎代謝がよくなっていくことでしょう。

 ジムに行かないと健康な体は手に入らないというのは思い込みです。普段の道のりを、正しい呼吸法と、正しい姿勢できれいに歩けば、健康で引き締まった体を手に入れることは十分にできるのです。

 はじめは意識することが大切ですが、毎日続けていると無意識にできるようになります。歩くだけで筋トレをしてしまう体になればジムに行かなくても日常の動きの中で健康な体は作れるのです。


山崎 美歩呼(やまさき みほこ) 一般社団法人 日本姿勢改善ウォーキング協会
筋肉と骨格、体の動きなど理学療法の観点からウォーキングを研究。ウォーキングに骨盤と腸の関係を加味した独自のプログラム「骨盤腸整ウォーキング」を開始。ウォーキングレッスンとインストラクター養成を行う。博多阪急、下関大丸、大阪ポーラ他でイベントを開催。レッスンでは年間延べ7000人にレクチャー。FMコミテンにてラジオパーソナリティーを担当(月1~2回)。また、倫理法人会での講話が好評で、毎月全国各地で講話を務めている。