空白の時間に何があったかは不明だが、和男容疑者は45分後の午前0時ごろ、みずから119番通報。
傷害容疑で警視庁小岩署に逮捕され、「カッとなった」などと犯行の動機を自供したが、その後、美紀さんは搬送先の病院で帰らぬ人となってしまった……。
家賃が家計を圧迫か
亡くなった美紀さんは身長155センチぐらいで、少しふくよかな愛想のいい可愛らしい人だったようだ。
「明るくて謙虚で、キツイところはまったくなかったですよ。結婚が早くて20歳ぐらいで子どもを産み、2人のお母さんで、ママ友が多かった。昔は近所のベーカリーで車の移動販売をされていました」(同・主婦)
15年くらい前からは、近隣のケータリング会社で、パートとして働いていた。
店長が打ち明ける。
「とても仕事熱心な女性でした。最初は配達と配膳をやっていましたが、最近はほとんど配膳が中心でしたね。
給料が減ったことについては、……こういう状況ですから、しかたなくてね。パーティーや大きな葬式が自粛でなくなってしまったので、仕事が激減して、やむなくそうせざるをえなくなってしまいました。それが原因だとしたら、本当に申し訳ないことをしたと思っています」
職場でも夫婦仲はよく映っていたようだ。
「牧野さんは配膳先の現場で仕事を終えることが多いのですが、そこへ旦那さんが車で迎えにくることがよくありましてね。うらやましいくらい、仲睦まじい夫婦でした」(店長)
といっても、和男容疑者は無職だったわけではない。
「彼は会社員で、建設関係の職人さんでしたが、コロナで現場の仕事が減っていたのかもしれません……。仕事仲間ともよく連れだって飲みに来ていましたけど、言葉遣いも丁寧でね。飲み屋でのケンカなど、1度も聞いたことがないくらい」(近所の居酒屋の店主)
実は夫婦が住んでいたマンションの家賃が、家計を圧迫していたかもしれないと話すのは、別の近所の女性。
「牧野さんが住んでいたマンションは狭くても2LDKで、家賃は15万円前後です。リビングが広くて、ベランダも広いの。春にはベランダから花見ができるいい場所なんですよ。
しかも、最上階の9階に住んでいたので、夫婦にどれだけ収入や貯蓄があったかはわかりませんが、定年間際の夫婦にとっては少し高額な印象ですよね」