ドラマ『陸王』メンバーがお見舞いに

 その後、2019年4月に脳梗塞の疑いで緊急手術。当時、所属事務所に問い合わせると、

「すぐ退院ではなく、GW明けまで経過をみないとわからない状態です。回復には向かっていますが、その後のリハビリがどのくらいかかるか、俳優の復帰時期も見えていません」

 名バイプレーヤーに突然襲いかかった病魔。劇団関係者は、「普段からお酒もよく飲みますし、ヘビースモーカーでした」といい、普段の生活に周囲は心配していたという。

 また、自宅の最寄り駅から電車で20分ほどの行きつけの居酒屋ではこんな姿も。

「倒れる数日前にお店に来たときは、どことなくフラフラしていたので驚いてしまって。“昨日まで地方に行っていて飲みすぎちゃって……”と言っていました。去年の今ごろはグラスを持つ手がブルブル震えていたこともありました」(店の常連客)

 ’19年6月にはリハビリ施設に入り、これまで住んでいた自宅を出ることになった。

脳血栓の手術後に、右半身の麻痺(まひ)が残ってしまい、ひとりでは生活できない状態に。失語症にもなり、医師にすすめられて施設に入居したそうです。普段は入居棟の涼しい室内で、テレビを見たり、読書をしたりして過ごしています。移動はすべて車椅子で、ひとりで風呂にも入れないので、特殊浴槽で介護士の補助を受けて入浴しています」(劇団関係者)

 そんな中、何度も共演したことのある役所広司らがお見舞いに来たこともあったという。 

役所さんが志賀さんのお見舞いに来たのは7月下旬のお昼ごろ。阿川佐和子さんを含めた3、4人の『陸王』メンバーが同行したようです。2年前に共演した出演者が集まるのは珍しいことで、絆(きずな)の深さを感じますね。入居棟への出入りは騒ぎになる可能性が高いため、志賀さんとは来客用のスペースでひっそりとお話しされたようです」(同・劇団関係者)

 当時、志賀さんの病状を所属事務所に確認すると、

身体の麻痺は徐々に治りつつありますが、まだひとりで立つことはできません。ですが、失語症は医師が驚くほど回復していて、朗読やナレーションの仕事は来年春ぐらいの復帰を目指しています。役所さんの奥さまは志賀が講師をしていた大学の卒業生という縁もあり、お見舞いに来ていただいたんだと思います

 仕事復帰を目指していた、今年の春がすぎ、志賀さんは帰らぬ人となってしまった。晩年は病気とリハビリと闘う日々だったが、志賀さんの優しい演技は多くの人の心を打ち、世に受け継がれていく作品となって生き続ける。