小泉今日子ら芸能人も次々とツイート

 日本では長く不遇をかこつ存在であったフェミニズム。それが石川優美さんという女優/フェミニストの、やはり2019年1月の1本のツイートから始まった「#KuToo運動」から、今では日本社会や政治を大きく動かすうねりとなっているのはご存じだろう。「#KuToo」は昨年の流行語大賞にも選ばれ、NTTやJALといった大手企業が女性だけの就労規則にあったヒール靴着用の撤廃などに踏み切った。

 そうしたフェミニズム運動を支え、大きく成長させてきたのが、ツイッターに参加するフェミニストの方々だ。ひどいバッシングを受け続ける石川さんを援護し、ともに学びながら、丁寧(ていねい)に根気強く、決してあきらめず、自身の体験に基づき、そこから深く思考した言葉の積み重ねをしていく。そこから多くの本も出版され、文学にも著わされるようになった。今回もまた、そうした彼女たちの、「なぜ今これが必要か?」を説く言葉や熱意ある応援がまず、このハッシュタグを育てたのかと、私はとても納得した。 

 そこから先は報道にあるとおりに私のような一般ユーザーのみならず、芸能人や文化人といった人たちも積極的にツイートして大きく膨らんだ。小泉今日子さんがツイートしてる! 大久保佳代子さんがツイートしてる! きゃりーぱみゅぱみゅさんがツイートしてる! と誰かがそれを引用ツイートしたり、リツイしてるのを見て、みんなが「ワッ」と盛りあがる。その盛りあがる気持ちも「#検察庁法改正案に抗議します」とハッシュタグをつけてツイートする。すごい連鎖作用が起こっていた。

 芸能人の方々のツイートは、まるで燃料のような存在だった。いったん下火になってもそこに注ぎ込まれるガソリン。ワッと火が大きくなり、私自身も思わず大久保佳代子さんへリプライをした。私のそんなツイートにさえ、「いいね」が190も付いていた。

大久保佳代子へリプライをした著者のツイート
大久保佳代子へリプライをした著者のツイート
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  そうやってよく勉強しないままにワッと飛びついてツイートするのは良くないですよ、と言う人は、指原莉乃さんのみならずツイッター現場でも大勢いた。私自身、では、検察庁法をすべて理解しているのですか?と問われたら、とてもじゃないが理解していない。15日の衆院内閣委員会で質問に立った、ごとう祐一議員の話す内容を100%理解したか? と問われたら違う。