一般人の怒りが爆発!Twitterデモの参加

 しかし、政治とは私たちの生活そのものだ。今日スーパーで払った消費税10%も政治が決めたこと。六法全書を読破してなくても、私たちは政治と向き合い、選挙に行き、意見を言う権利と義務がある。もしそれが違う、間違っているとしても、ツイッターで声にしたら、それは違うんじゃないか?と誰かが意見をくれる。それに対して、いや、そうじゃない!とまた反論してもいい。そうやって語り合うことそのものこそが民主主義だ。ワッと飛びついてツイートすることは、決して悪いことではないと私は考える。

 それに今回は実に多くの人が、その都度で細かく丁寧にわかりやすく、いろいろなことをツイートしてみんなに教えてくれた。指原さんもテレビでポロっと言っていた「すごく簡単な相関図」など、次々に誰かがツイートしてくれて、それでみんながその場でまた学んでいった。Youtubeでの政治家や評論家の討論番組もシェアされ、より深い理解も得た。

 そのおかげで、「検察庁法」という、「いったい何?」というぐらい遠い存在に思える問題が、われらの問題となり、ワッと噴出したのだ。もう私たちの不満や怒りはコップに溢れそうだった。そこにこれがきて、もうジャーッと溢れ出してしまった。

 桜を見る会、加計森友問題、公文書改竄、それにまつわる官僚の赤木俊夫さんの自殺、などなど。そしてコロナ対応でのお肉券だのお魚券、受けられないPCR検査、検査数の不明瞭さ、補償の遅さ。あらゆる不満に政府は誠実に答えてくれない。私たちは見捨てられてるの? 私たちの命はないがしろにされるの? バカにされてる? なめられてる? その怒りがそのままツイッターで爆発した。その勢いは誰にも止められなかった。

 私は3・11以降、いろいろなリアル・デモに参加してきた。

 新宿や渋谷、さまざまなところをデモして歩いたり、国会前でSEALDsのコールに合わせて大声で叫んだりもした。それは意義のあることだし、自分は好きだし、今回もまさに内閣委員会の行われていた外でリアル・デモをして大きなコールをしていた人たちの声が委員会室にも響き、野党議員の背中を押したし、中継をネットで見ながらツイートしていた私たちにも勇気をたくさんくれた。

 でも、そういうリアル・デモで味わうのにも通じる高揚や連帯感がツイッター・デモでもあった。小泉今日子さんや畑中葉子さんのような芸能人の方々も、仲間に思えた。ああ、子どものころ、私は『カナダからの手紙』が大好きだったんだ。

 ツイッター・デモはこれから日本の新しい生活において、誰もが参加が容易な社会活動として拡がっていくんじゃないか? と感じている。

〈取材・文/和田靜香〉