その中で歌手のきゃりーぱみゅぱみゅに対し“歌手だから知らないだろうけど……”と、ある政治評論家が彼女を小バカにしたようなコメントをしたことが批判の的になった。
「“アイツ、こんな政治的発言をした”と騒ぐのではなく、自分のリスクをとって紹介していてスゲぇなと。それでタレントの価値が高まってスポンサーもついてくれるような流れになればいいなと思います。もちろん、発言に間違いや情報不足があるのなら、批判や補足は必要です。それに関しては芸能人とかは関係ないのですけど」
ちょっとした発言が大きな影響を与えることは、榎森自身も体験している。それは、自分の動画制作に臨む姿勢を考えるきっかけにもなったネタだという。
「昨年アップした『動物愛護法』の改正についての動画がありますが、僕の中での怒りのエモーションがものすごく高まってしまって……。ツイッター上で、今まででいちばん拡散した動画なんですけど、一部のペット産業のあまりにひどい状況に対して、ただ怒りだけをぶつける、特に笑いどころのないものになってしまったんです。
たくさん拡散したのはよかったのですが、マイナスのハレーションもすごく多くて。感情に任せて煽るだけでは、健全な議論にも発展しませんし、何より僕はお笑い芸人ですから、コメディーで噛み砕くことを忘れてはいけないな、って」
政権批判よりもよほど怖いこと
これからも、いろいろな社会問題をネタにしていきたいと語る榎森。動画で視聴者たちに何を伝えていきたいのだろうか?
「政治的なことを発言しない、興味がないというスタンスの人が増えています。でもこれって、今の政権にすべて委ねますという、すごく政治的な姿勢なんです。政治のことを話したり政権批判をすることは、すごく怖いことって思っていませんか? 政治について話すことは全然怖くなくて、もっとフランクに話せるような風潮を作れればと思っています。
政治に無関心というのは、声をあげることよりも、よっぽど怖いことなんですよ、と伝えていきたいですね」