離婚ネタの対応に「陣内の人柄」

 また、翌日の『ヒルナンデス!』では、こんな場面があった。久本雅美が「写真立て」を集めているという話題から、南原清隆に「陣内くんは、写真立てにどんな写真を入れてるんですか」と聞かれ「ホント、幸せなかたちが入ってますよ。見せてあげたい。ホントに幸せな3人の写真が入ってますよ、いっぱい」と回答。すると、南原が「前の人の写真は入れてませんね」とお約束的に話を向ける。陣内は、

前の人はあるわけないでしょ。なんで飾らなあかんねん

 と返し、これまた爆笑を生んでいた。

 もちろん“前の人”とは'07年に結婚して、2年後に離婚した藤原紀香のこと。結婚式と披露宴は芸能界最後の派手婚ともいうべきもので、テレビ中継もされた。結婚式でふたりが着た平安貴族のような衣裳や、披露宴で陣内が挑戦したピアノの弾き語りなど、ツッコミどころも満載だった。

 離婚の原因は陣内の浮気とされるが、紀香のほうも友人のはるな愛とつるんでばかりいたという話があり、夫婦ともに明るいキャラだからか、悲壮感はそれほどでもない。

 なにせ、陣内が弾き語りした『永遠にともに』を本家のコブクロがライブで歌おうとしても客席から笑いが漏れるため、離婚から6年間も封印されていたほど。それが解禁されたことをツイッターでコブクロのファンに知らされた陣内は、

コブクロ大好きです!

 と、喜んでいた。

 とまあ、こうした派手婚と浮気離婚の経緯は多くの人に共有されている。それゆえ、鉄板ネタとなるわけだ。

 もっとも、このネタを陣内から振ることはない。誰かに振られてから、困惑気味にリアクションするのがいつものパターンだ。紀香の事務所への配慮もあるだろうが、それ以上に彼女本人への気遣いだろう。

 というのも、陣内はフジテレビの松村未央アナと'13年に交際をスタートさせたが、ゴールインは4年後。まるで前年、紀香が片岡愛之助と再婚するのを待っていたかのような流れだった。

 松村アナは初婚だし、陣内も子供は欲しかったはず。'18年には長女が誕生したが、そのときもザキヤマに「やっぱ(名前は)のりかちゃんに?」といじられていた。

 しかし、紀香より先に再婚しなかった事実からは、陣内の義理堅さも感じられる。これが意外とちゃんとしているという印象ももたらし、今の好調にもつながっているのではないか。

 23日の『グランドスラム』では、飛び出す絵本を使ったネタを披露。1歳7ヶ月の娘と遊ぶ、よき父親ぶりもなんとなく彷彿とさせた。主婦層の好感度も上がれば、この好調はまだまだ続くことだろう。

PROFILE●宝泉 薫(ほうせん・かおる)●作家・芸能評論家。テレビ、映画、ダイエットなどをテーマに執筆。近著に『平成の死』(ベストセラーズ)、『平成「一発屋」見聞録』(言視舎)、『あのアイドルがなぜヌードに』(文藝春秋)などがある。