“コロナ”の風評被害を抑えるために
《皆様の大事なお仕事に感謝しています。くれぐれもお身体をおたいせつに》
《最前線でたたかって下さる皆様に本当に感謝申し上げます。少しでも御負担を減らせるように、自粛を頑張ります。お身体に気をつけてください。本当にありがとうございます!》
これらの激励とともに贈られたガウンは「そうとうな労力が必要だったはず」だと、『済生会中央病院』広報室の佐藤弘恵さんは話す。
「慣れた人でも1着15分ほどかかりますし、3日で100着も作られたとなると、かなりのマンパワーが必要だと思います。当日は、院長と看護部長が受け取ったのですが、病院一同、ありがたいという気持ち以外の何物でもありませんでした」
コロナに対するご関心の高さは、ご一家の“知識とご配慮”からもうかがえたという。
「コロナウイルスについて、かなり勉強されているようで、とてもお詳しく、具体的な薬の効果などについて質問されていました。その中でも、いちばん驚いたのは、私たちが『新型コロナウイルス』と口にしても、両殿下は必ず『COVID-19』という正式名称を使われていたことです。
これはWHO(世界保健機関)が示した名称で、両殿下は“コロナ”という言葉が含まれた固有名詞などへの風評被害を抑えるために配慮をされていたのです。そういった意図にもたいへん感激いたしました」(前出・『済生会』事務局広報担当者)
医療従事者に対する風評被害に関しても両殿下は心を痛められていたとこの広報担当者が続ける。
「コロナが蔓延する中、お子さんのいる看護師は保育所から“来ないでください”と言われ、病院内の会議室を臨時の学童保育として開設するほどでした。みんなは“病院に勤めている”ことを隠しながら仕事をしていて、“もう辞めたい”という訴えも出ています。“感謝してほしいとは思わないけど、せめて普通に扱ってほしい”と思います。
そういった状況をご一家にお伝えすると、殿下は代表して“大変なことですね……”とおっしゃって、病院関係者を思いやっていただきました。今回のガウンやメッセージにも、病院では“すごいね”、“ありがたいね”と、本当に元気づけていただいたのです」
今後、コロナ騒動が落ち着いたころには、実際の現場に赴かれる可能性もある。
「現段階では、ご一家が視察されるご予定はありませんが以前起こった災害の際は、積極的に現場へ足を運んでいただきました。今後はそういった機会があるかもしれませんし、秋篠宮ご夫妻とも“今、自分たちができることをやりたい”という気持ちがお強いのは確かです」(炭谷理事長)
ご一家が贈られた“3度のサプライズ”は、全国の医療従事者を勇気づけてくれたことだろう──。