原田 これまでの経験をしっかり自分に活かしているんだね。一見、関係なさそうに思える経験が仕事につながることもあるし。実は僕、子どものころからゴリラが大好きなんだけど……。
桐山 ゴ、ゴリラですか!?
原田 うん。好きな理由は特にないんだけど、動物園に行ったら、まずゴリラを見に行くくらい大好き。そして何の因果か、ある番組の企画でジャングルにマウンテンゴリラを探しに行くことになったんだよ。それぞれが明確につながっているわけじゃないけど、少なからず僕のゴリラ好きが影響して、ご縁をいただけたのかもしれない。桐山くんが過去にバンド活動をしていたことも、今のお芝居の血や肉になってるんじゃないかな。
桐山 いきなりゴリラが出てきてびっくりしました(笑)。たしかに、自分では気づきにくいけど、これまでの人生が今の自分を形成してるのはたしかですよね。
「原田さんて本当に“丸裸”ですよね」
桐山 今日、原田さんにお会いするのをすごく楽しみにしていたんですけど、大先輩だし怖い人だったらどうしよう、という気持ちもあったんです。
原田 そうなの!? 最近は、怖そうって言われないから新鮮だなあ。
桐山 でも、すごくフランクに接していただいてうれしいです。実は、年末に放送される『笑ってはいけないシリーズ』が大好きで、毎年「原田さんいつ出るのかな」って思いながら見ています。
原田 アハハ! 今日を機に、ただの“おもしろいおじさん”だと思ってもらえたらうれしいな。
桐山 原田さんって、本当に丸裸じゃないですか。服を着てないという意味じゃなくて、内面もさらけ出しているような気がして、本当にカッコいいです。
原田 桐山くんだって、仕事だったらやると思うよ!
桐山 たしかに、仕事だと割り切ることはできるけど、精神的な面で原田さんの域に達することはできない気がするんですよね。
原田 なんだか照れますね。でも、そう言ってもらうと「あの仕事を引き受けてよかったな」って思うんだよね。オファーが来たときに「これをやったら絶対に自分も楽しいし、見た人も“おもしろい”と思ってくれるはず!」というイメージをして仕事を受けたからポジティブな感想をもらうと、その都度、報われるよ。
桐山 原田さんは男性のファンも多いですよね。それはきっと、おもしろさの先に“カッコよさ”を感じてるからだと思います。
原田 周囲の印象が一気に変わる仕事だったから、そのぶんインパクトも大きいですよね。桐山くんはアクションもやっているからわかると思うけど、ハードな仕事は印象深く残るでしょ?
桐山 そうですね。
原田 自分を変えるほどの仕事は、見ている人にとっても強い印象を与えると思う。映画『八甲田山』で、高倉健さんが雪の中を真っ白になって進んでいくシーンが脳裏に焼きついてるのも、現場の過酷さを物語ってるからだと思う。それが、僕の場合は年末の裸だったという……(笑)。