お笑い第三世代、それぞれの特徴

 ウッチャンナンチャンは、先輩のとんねるずや、ほぼ同期のダウンタウンとともに「お笑い第三世代」といわれ、'90年代から現在までお笑い界を引っ張ってきた。そんな3組は後輩芸人への接し方ひとつにも違いがみられる。それは企画にまで昇華させているほどだ。

 とんねるずでいえば、過去に『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ系)で“突然”後輩芸人らに高価な品物を購入させる「買うシリーズ」や、“突然”落とし穴に落とされる「全落・水落シリーズ」がある。

 “突然”の中から生まれる笑いやとっさの反応は、これまでとんねるずが培ってきた「ドッキリ」や予定調和ではない芸風からくるものではないだろうか。

 一見すると“悪ノリ”ともとれる後輩への接し方。しかしながら、有吉は「僕らは本当に楽しかった。とんねるずに遊んでもらっているようなもの」と絶賛し、信頼の厚さを感じ取ることができる。

 一方でダウンタウンは、『水曜日のダウンタウン』(TBS系)や『ダウンタウンDX』(日本テレビ系)などのひな壇やプレゼンテーション形式でのトークが目立つ。満を持して自分のトーク力を発揮できるこの形式は、準備した芸を全力で披露できる。それは後輩芸人の活躍を後押ししているようにとれるわけだ。

M-1グランプリ』(テレビ朝日系)や『人志松本のすべらない話』(フジテレビ系)がまさに“最大のチャンスの場”だろう。これからの若手芸人に一攫千金のドリームを用意している。

 しかし、このコロナ禍ではひな壇やプレゼンテーション形式の企画撮影が進められず、テレビ局や制作会社も苦戦している。そのため、特にバラエティー番組は過去のまとめ再放送などが多く見受けられた。

 そんな中でウッチャンナンチャンは「リモートで作りだす笑い」を魅せた。その笑いの最たる特徴は彼らのもつ“アットホーム感”ではないだろうか。