その内容を確認すると、まず《CDを買うときはオリコン調査協力店、または加盟店で!》とある。これは、オリコンに販売枚数の集計データを提供する協力店(2020年7月時点で18835店/オリコンビズオンラインより)での購入が大前提ということだ。
そして《店頭予約は早めに! 遅くとも3週間前》。なんでも、各販売店がレコード会社にCDを発注した後に予約を受けた場合、店頭に並ぶ予定だったCDを予約販売に回すため、来店する一般客の購入分が減ってしまうのだそう。それゆえに早めの予約を呼びかけているわけだ。
他にも《集計は月〜日曜日。日曜17時までに購入するとその翌週に反映》、《複数枚買うときはできるだけ会計を分けて》など、関係者しか知り得ないであろう情報も含まれている。
ナゼ、このような《オリコン対策》を講じることができたのだろうか。
「ファンの行動力と情報ネットワークは侮れませんよ。彼女たちは取材記者のようにレコード店で聞き込みをしたり、探偵のようにネット情報を精査して集計傾向を分析したりするのです。そしてそれを共有する。特にファンのなかでも熱量が高いとされるエイターともなれば、自ら協力店にバイトとして“潜入”するツワモノもいるとかいないとか(苦笑)」(前出・音楽専門誌編集者)
オリコン広報部を直撃すると
でも、実のところ、この《オリコン対策》はホンモノなのだろうか。オリコン広報部に聞いてみると、まずは《集計をする調査協力店》について、
「全国の調査協力店の販売実績をもとに、全国の推定売上枚数を算出しています」
と、こちらは間違いなさそうだ。《店頭予約は3週間前》については、各販売店の対応つき「分かりかねます」とのこと。
ランキング反映に関わるとされる《日曜17時までに購入する》について、
「全国の調査協力店による毎週月曜日から日曜日までの販売実績を対象に集計を行なっております。時間につきましては各店舗の営業時間により異なるかと存じますが、調査協力店より前日の販売実績としてご報告いただいた数字をもとに集計・発表しております」(広報部)
こちらは特に《17時まで》という決め事はないもよう。各店の営業時間によって“締め切り”は異なるということだろう。