コメントで発覚した指原莉乃のヤバポイント
人気芸能人の突然の引退劇を、各局のワイドショーはこぞって取り上げます。7月12日放送の『ワイドナショー』(フジテレビ系)で、タレント・指原莉乃は「芸能界ってめっちゃおそろしい。運とか勢いだけで売れることができるじゃないですか」「芸能人がバーッて売れて、持ち上げられて、売れた後にフツウの人と交わったら、こんなことになってしまうのか」と自分が見えなくなる恐ろしさについて真面目にコメントした上で、「そもそも、憧れカップルと言われていましたけれど、誰か本当に憧れていたのかな」「メディアがワッショイワッショイ持ち上げすぎ」と締めくくっていました。
バラエティーの女王らしく、笑いでオチをつけたと見る人もいるでしょう。しかし、私はここにニュー・ヤバ女の誕生を感じたのです。
ヤバポイントは2つあります。
まず1つめ。芸能界のご意見番、和田アキ子は『アッコにおまかせ!』(TBS系)で優樹菜サン引退の特集に「引退されたら、芸能人じゃないのにやっていいんですか?」とコメントしています。日ごろは辛口コメントで知られる和田アキ子でも「一般人だから」攻撃しないという仁義を守っていることがわかります。しかし見方を変えると、「一般人だから」というのは芸能人サイドから攻撃する際の口実にも使えるのではないでしょうか。
優樹菜サンは決してほめられることはしていませんから叩きやすい上に、「一般人だから」芸能人に何を言われても言い返すことはできません。指原を含め、コメンテーターは報復されないことがわかっていますから、キツめに茶化しやすい面はあるでしょう。でも、だからこそ、芸能人は攻撃しすぎないように注意しないと自身の好感度が下がるでしょう。「一般人だから」好き放題言うのなら、単なる弱い者イジメと変わらないと思うのです。
「誰が本当に憧れていたのかな」「メディアが持ち上げすぎ」発言もなかなかヤバい。なぜなら、これらの発言は「ランキングが正しくない、数字が恣意的に操作されている」と悪意的に解釈されて、アンケートをとった側やランキングそのものを貶める可能性があるからです。
指原と言えば、AKB48の選抜総選挙で前人未到の3連覇(1位は通算4回)を達成しました。これは今日の指原を築いた重要なキャリアと言えると思います。その指原が「発表されているランキングが正しくない」かのように解釈できる発言をすることは、指原自身の成果も否定することと変わらないことに気づいているのでしょうか。世の中に発表されているランキングの信ぴょう性を証拠もなしに疑うような発言をすることは、「AKBの選抜総選挙は正しくない、指原に憧れている人はいない、メディアが持ち上げているだけ」という意見も認めなくてはならなくなるでしょう。