三浦さんを直接、見ないでください

毎回、世界から商品を買い付けたバイヤーがスタジオに登場して、彼らに商品の説明をするんです。当然、バイヤーの会社関係者も何人かスタジオを訪れ、周りで観覧しているんですが、どうも三浦さんは気になるようで……。スタッフが“三浦さんを直接、見ないでください”と、ゲストの関係者に言って回るというのが恒例になっていたんです」(制作会社関係者)

'16年3月、後楽園ホールに親友が出場するキックボクシングの試合観戦に来た三浦さん
'16年3月、後楽園ホールに親友が出場するキックボクシングの試合観戦に来た三浦さん
【写真】最後の投稿になってしまった三浦春馬さんのインスタグラム

 本来であれば、収録をスタッフと関係者で見守る形になるはずなのだが、それがNGなだけに……。

「しかたなく、みんなすぐそこにいる三浦さんからは目をそらして、モニターを見ることにしているんです。“ジロジロ見るわけじゃないのに、どうしていけないんだろうね”と、現場でも不思議がっている人は多かったですね」(同・制作会社関係者)

 番組を見ている限りでは想像もできないが、実は、誰とでもすぐに距離を縮められる“社交的な性格”というわけではなかったようだ。

初めて仕事をする人とは、目を合わせて話ができないようなシャイさは今でも残っていて、人と仲よくなるのは時間がかかる性格でした。悩みなどは外に見せず、自分ひとりで抱えてしまうタイプだったので、周囲もSOSに気づけなかった可能性はあります」(前出・芸能プロ関係者)

 誰にも言えなかった心の闇が、彼の心を少しずつ蝕んでいったのかもしれない。

「プライベートでも仲のいい俳優はいただけに、相談できる人がいなかったわけではないと思うんですが……。あれだけ愛されている人だったので、もっと周りに頼ってもよかったんじゃないかという思いでいっぱいです。亡くなる数日後には、ダンサーの友人と食事に行く約束をしていたそうなんです。そんな人が自殺をするなんて、本当に考えられない……」(同・芸能プロ関係者)

 早すぎる三浦さんの死が、芸能界に与えた影響はあまりにも大きい……。

三浦春馬さん 30年の生涯と主な作品

'90年……茨城県土浦市にて誕生

'97年……連続テレビ小説『あぐり』で子役としてデビュー

'06年……映画『キャッチ ア ウェーブ』で初主演を務める、ドラマ『14才の母』(日テレ系)でヒロインの恋人として出演

'07年……映画『恋空』に出演。第31回日本アカデミー賞の新人俳優賞を、共演した新垣結衣と同時に受賞

'08年……ドラマ『ごくせん』(日テレ系) の第3シリーズに出演。平均視聴率は22.8%を記録し、'08年のドラマ視聴率1位を記録

'16年……舞台『キンキーブーツ』で、小池徹平とW主演

'19年……ドラマ『TWO WEEKS』(フジテレビ系)で主演。同作の主題歌を歌い、歌手デビュー、映画『コンフィデンスマンJP -ロマンス編』に出演

'20年……7月18日、自宅で自殺。9月に放送予定だったドラマ『おカネの切れ目が恋のはじまり』(TBS系)は、この日の撮影を中止に