《株式会社石原プロモーションの商号を故石原裕次郎氏仏前に返還することに全員一致で決定致しました》
“昭和の大スター”石原裕次郎さんが設立し、渡哲也、舘ひろし、神田正輝、徳重聡ら大物俳優――。“石原軍団”が所属する石原プロモーションは、'21年1月16日をもって解散すると発表した。
「昭和、平成を代表する“古きよき”芸能プロダクションですから、時代の流れとはいえ、こういう事務所がなくなってしまうのは寂しいですね……」(スポーツ紙記者)
所属する全俳優のマネージメント業務を終了し、今後は音楽や映像などの版権管理だけに業務をシフトしていくという。
「石原軍団の面々は、全員ほかの事務所へ移籍するか、独立することになります。ただ、現時点では、ほとんどの役者さんが、どうするのか決めていない状況だそうです」(前出・スポーツ紙記者)
お年玉は近所の人にも
仰天エピソードの数々
石原軍団といえば、思い出されるのが、なんといっても“男気”にあふれた数々の伝説――豪快エピソードだろう。
「最近だと、例えばEXILEの事務所も上下関係がキチッとしてると言われていますけど、往時の石原軍団は比べ物にならないほど厳しさも絆も強かったですからね」(テレビ局関係者)
“鉄の結束”と呼ばれ、語り草にもなっている。
「先輩の言うことは絶対。今でこそ笑い話ですが“鉄拳制裁”も普通にあったそう。裕次郎さんの甥、石原良純さんが石原プロに在籍していたときのことですが、寝坊か何かで集合時間に遅刻してきたことがあったんです。それを見とがめた先輩の舘ひろしさんが良純さんをすぐに呼び出して“教育”した……なんて話もありますからね」(前出・テレビ局関係者)
石原軍団のひとりだった峰竜太が、'82年に不倫現場を報じられ大騒動になったときのエピソードも、ある意味スゴイ。
「峰さんは、奥さんの海老名みどりさん伴って謝罪会見を開いたんですが、後日、峰さんが裕次郎さんや先輩たちにも“お騒がせしてすみません”と謝った。峰さんはてっきり怒られると思っていたんですが、ニヤリと笑って“これでおまえもようやくオレたちの仲間に入れたな”と。峰さんはこの言葉にすごく救われたそうですから。不倫はたしかにマズいですけど、仲間の過ちも受け入れて、笑い飛ばしてくれる懐の深さがあったんです」(前出・テレビ局関係者)
芸能関係者やマスコミ関係者が集まる新年会も、豪快そのもの。中でも、いまだに記者たちの間で語り継がれているのが“お年玉”だ。
「帯のついた札束を5つ……つまり500万円を事務所の幹部が手に持って、参加者ひとりひとりに“お年玉”と言って1万円札を配ってくれるんです。新年会に呼ばれたお客さんだけでなく、私たち新聞記者やカメラマン、さらには様子をのぞきに来た近所の人にまで、その場にいる人たち全員に残さず配るのが恒例でした。中には2回もお年玉の列に並ぶ……なんてヤツもいましたね(苦笑)」(前出・スポーツ紙記者)
石原プロの浅野謙治郎専務取締役も、往時の新年会を懐かしむ。
「今の場所に事務所を移転する前は毎年、餅つきもしていたんですよ。臼を5、6基出して、渡さんたちが餅をついて、ご近所の人にも振る舞ったんです」
これは“ファンや支えてくれる人たちも含め、みんな仲間、家族なんだ”という裕次郎さんの考えから。
ゆえに、ドラマの撮影でも、スタッフはもちろん撮影に参加する多くのエキストラひとりひとりにも、渡や舘ら石原軍団の面々と同じ“1個2000円”の高級弁当を必ず配ったという。“同じ釜の飯を食べる”精神だ。
「まぁ、値段の話はいいとして(苦笑)、裕次郎さんのそういう思いを、みんなでずっと守ってきたということなんです」(浅野専務)