人気ブロガー・はあちゅうも被害者に
「外に出るのが怖くなりました」
「妊娠6か月のとき、デパートで買い物をしていると、正面から歩いてきた男性にすごい勢いでぶつかられました」
ブロガーで作家のはあちゅうさんは妊娠中に2回、妊婦を狙った被害に遭っていた。
男は先に別の女性にもわざとぶつかっており、避けようとしたが、そのまま突進された。タックルのような強い衝撃。
「お腹をかばい、身構えていました。怖くて、捕まえようなんて考えられませんでした」
2回目は出産間近。同様に故意的にぶつかられたという。加害者は2人とも若い男性。
「被害は2回とも1人でいたときです。でも、こうした犯罪は警察には相談できないレベルです。あっけに取られているうちに相手は姿をくらませますし、“たまたまです”と言われたらそこまでですから」
悔しさを胸にしまい、被害に遭わないように自衛した。
事件もあり、外出時に他人から攻撃される妄想に襲われたことがある。妊娠中特有の心理状態なのか、それとも事件が引き金になったのか──。
「意地悪なことや何かされたらどうしようと思うと外に出るのが怖くなりました」
そんな不安を救ったのも『マタニティマーク』だった。
「つけて嫌な思いをした友人もいたので迷っていました。でも、つけて外出すると優しく接し、助けてくれる方もいました。いいこともあります」
と、その実感を明かす。残念なことに、こうした事件はまだまだなくならない。
「被害を明かせばネットでは“ウソだ”と言われることも。こんなことでウソなんてついてもしょうがないのに。妊婦を狙った事件があることを周囲が知ることで未然に防げます」
マークをつけることで妊婦に周囲の目が向き、犯罪の抑止力になることも期待する。
「気にかけてくれる視線や声かけに助けられ、外へ出ていくことへの怖さを和らげてくれました。マークをつけた女性がいたら“妊婦さんだな”と少し気にして、見守ってほしい。それが安心感になります」