片道切符の出向だと減額に……

 かつてはメガバンクから他の企業に出向、給与は半減されるなんて話もあった。子会社へ出向した半沢の給料も減らされてしまったのか。

「『東京セントラル証券』への出向で給料が下がることは基本的にはないです。グループ内の証券会社なので左遷とは言えません」

 半沢の場合は『東京中央銀行』に戻っている。出向時、給与は銀行が負担、もともとの水準を維持していたとみられる。

 給与が減額になる場合は降格や左遷、関連企業などに送られて戻ることができない『片道切符』の場合だという。

「給与は銀行と受け入れ企業側との折半負担となるケースもあるので、その場合はいくらかの減額は発生しえます」

 元銀行マンが出向先の企業でそこの給与よりも高い、もともとの水準の給与をもらっていれば人件費を圧迫するだけでなく、出向先の社員から反感を買う可能性もある。そんな関係性で何か頼もうものなら社員から言われてしまうだろう。

「わびろ、わびろ、わびろ」

智美の店での飲み代は「自腹!」

 半沢が行きつけにしているのが井川遥演じる美人女将・智美の店。半沢は及川光博演じる同期の渡真利忍らとこの店で情報交換をし、根回しを行う。その会話に聞き耳をたて表情を曇らせる智美の不穏な気配に視聴者はざわつく。

「ドラマのような飲み会ですと、経費では絶対に落ちません(笑)」

 経費で落ちるのは支店長同席か、事前に許可を出した取引先などとの正式な飲み会や接待の場であることが前提だ。

銀行マンの飲み会はもちろん、自腹。一般的な値段の居酒屋やスナックに行きます。あの店は高そうですよね。毎日通ったら破綻しますよ」

 智美の店は東京・恵比寿にある割烹を使い、ロケをしている。口コミサイトによれば1回の飲食予算は約8000円前後と高めの設定。作中もその水準と同額だとすれば、半沢は毎回、それなりに出費をしていることが考えられる。

 ただし、飲み代よりも大きな問題があるという。

「店を信用しすぎているのか、個室でもないのに半沢も渡真利も機密情報をべらべらしゃべりすぎな点。情報漏洩が非常に気になるところです」