“終わり”を経験してきたメンバーたち
リーダーのYOUSUKEは、もともと中学時代の同級生と2人で結成した「GiFT」というボーカルユニットで活動していた。リュ・シウォンに楽曲を提供するなど目覚ましい活躍をしていたが、'09年に解散。その後はソロとして活動するも、グループでの再出発を諦めきれずにいた。
「2016年、表舞台から離れていたOSAと、音楽をやめようか悩んでいたATSUSHIに『3人で歌をやらないか』と持ちかけました」
当時、OSAは大手企業の社員。もともとはコーラスグループに所属し、脱退後はボイストレーナーをしていたことも。一方のATSUSHIはいくつかのグループに所属し、YOUSUKE同様メジャーデビューも経験していたが、活動休止状態だった。
「初めて3人で集まった日、YOUSUKEがその場でグループ名を決めて、デビューライブの会場まで押さえて……。思い返すと、むちゃくちゃ強引な結成でしたね(笑)」(ATSUSHI)
こうして、1度は終わった男たちは、新たな始まりを迎えた。それから約半年後、YOUSUKE、OSAと以前から親交があったGACKYが、客としてL・Fのライブに訪れる。伝説のインディーズバンドのボーカルというキャリアのある彼も、人生の岐路にたたずんでいた。
「当時の僕は、周りの仲間が年齢的に音楽をやめていくなか、諦めきれずにソロで活動していました。そのときにL・Fのステージを見て、“めちゃくちゃカッコいいグループじゃん”って。ものすごく感動したんです。自分も一緒に走りたくなった。その日のライブ終わりには楽屋に押しかけて、自分の気持ちを3人に伝えていましたね」(GACKY)
GACKYの猛アピールが実り、正式にメンバーとして受け入れられ、L・Fは新体制となった。徐々に認知度も上がり、全国のライブハウスから声がかかるようになった。
だが、彼らにはまたひとつの“終わり”が訪れる。ATSUSHIの脱退だ。
「僕と奥さんは、ずっと子どもが欲しいと思っていたんですが、なかなか授かることができず、腰を据えて妊活をしないといけないとなって。それが、L・Fの遠征が増えていた時期で。とてもつらい選択ではあったんですが、思い切って“僕がいて足を引っ張ることになっても申し訳ないので、脱退させてほしい”と伝えました」
自分たちの年齢も考えると、引き止めることが正解なのかどうか、残るメンバーも悩んだという。