「女は自分が弱いっていうところを見せて、人に何かしてもらって、踏み台にしていくみたいなのがいっぱいある」
具体的なエピソードは明かしませんでしたので、推測になってしまいますが、これは高嶋が周囲の「弱いオンナ」を助けてあげたら、利用されてしまったということかなと思います。もしそうなのだとしたら、私は彼女に何とも言えないヤバさを感じるのです。なぜなら、周囲の女性を「強い」「弱い」と二元論的に分けることがトラブルのもとではないかと思うからです。
「弱いオンナ」から「強いオンナ」になった高嶋
高嶋は「弱いオンナ」に裏切られたと感じているようですが、それでは、何をもって「この人は弱いオンナだ」とみなすかと言うと、おそらく見た目か社会的ポジションだと思うのです。身長が高いよりも低いほうが、はっきりした目鼻立ちより、丸みを帯びた愛らしいパーツのほうが庇護欲をそそるでしょう。コネや知識がない、頼る人がいない、裕福でない人も「弱いオンナ」のカテゴリに入ると思います。
高嶋もかつては「弱いオンナ」でした。今でこそ、彼女のコンサートは満員御礼続きだそうですが、ここに至る道は平坦なものではなかったそうです。『嵐にしやがれ』(日本テレビ系)に出演した高嶋は、26歳のときに女優・後藤久美子の従姉妹と組んで『チョコレート・ファッション』としてデビューしたことを明かしていますが、泣かずとばすで解散。収入的にも厳しかったと話していました。
しかし、バラエティー番組での毒舌がウケて大ブレイク。高嶋はインスタグラムに《25年かかってやっと年間80本を満席に出来るようになった》と書いていましたが、「弱いオンナ」だった彼女が、己の才覚で道を切り開き、今日のような「強いオンナ」になったということでしょう。今の高嶋には人脈もお金もあり、困ったときはどうすればいいのかを考えられる頭脳と経験もあるでしょうから、頼りにされるであろうことは想像に難くありません。
弱いオンナに「裏切られた」と感じる理由
人に何かしてあげて、うまく行くときもあれば、こじれて疎遠になってしまうこともある。この違いは何かというと、頼み事の内容やタイミングが関わってくると思いますが、もう1つ、「強いオンナ」が「弱いオンナ」を低く見積もることがトラブルの種なのではないかと思います。
「強いオンナ」が「弱いオンナ」を下に見て、「あなたは何もできないんだから、私の言うことを聞いていればいいのよ」と思っていると、「自分の決めたことに従え」とばかりに支配的になり、相手の「こうしてほしかった」という気持ちを無視してしまいます。その結果、「弱いオンナ」が違う人を頼りにするので、「裏切られた」「踏み台にされた」と感じるかもしれません。反対に、「弱いオンナは何もできない」と決めつけることで、「強いオンナ」は延々と「弱いオンナ」の面倒を見なければいけない依存状態に陥り、前者の生活が侵食される可能性もあります。
「強いオンナ」と「弱いオンナ」が仲良くする際の最大のリスクは、両者が揉めると、根拠なく前者が後者をいじめたと見る人が多いことだと思うのです。高嶋は毒舌ウリしていますが、それがウケるのは「あれはテレビ用で、普段は良識あるヴァイオリニストでお母さんである」という大前提があるから。それが「弱いオンナをいじめた」というような報道がなされたら、「本当にヤバいオンナじゃないか」とバッシングされてしまうでしょう。