運動は、エネルギーを効率よく消費すると同時に、必ず基礎代謝の向上にもつながる可能性があることを意識する必要があるわけです。つまりは、筋肉がつく(=基礎代謝が向上する)ような運動を選ぶこと。それが、活動代謝を増やすうえで大切な考え方です。

「やせるには有酸素運動が不可欠」ではない理由

 エネルギーを消費することよりも、筋肉を増やして基礎代謝を上げることに注目したトレーニングをまさに実践しているのが、「結果にコミットする」でおなじみの、あのパーソナルトレーニングジムです。基本的に有酸素運動は行わず、筋力トレーニングと糖質制限を中心とした食事改善で、エネルギー供給を減らしながらも筋肉は落とさずに基礎代謝を上げることで結果を出しています。

 ダイエットといえば「走る運動」が定番ですが、走るって結構大変ですよね。しんどいうえに、まとまった時間をつくらなければいけません。その点、「走らなくてもやせる」「有酸素運動をしなくてもやせる」ことを実践した画期的なダイエット方法だったからこそ、こんなにもブームになったのでしょう。

 ジョギングやランニングのような有酸素運動と、無酸素運動の筋トレを比べると、エネルギー消費量は有酸素運動のほうが上です。だから、体脂肪を落とすには有酸素運動が効果的と言われます。

 ただ、覚えておいてほしいのは、「運動でエネルギーを消費して体脂肪を落とすこと」と、「運動で代謝を高めること」は別であるということ。繰り返しになりますが、これは分けて考えなければいけません。

 意外にも、多くのエネルギーを消費する有酸素運動は、基礎代謝の高い体づくり(=燃費の悪い体づくり)にはちょっと不十分なのです。一方で、筋トレは、エネルギー消費量を比べると有酸素運動に劣りますが、燃費の悪い体づくりにつながり、長い目で見ると代謝を上げてくれます。