子育ての負担が母親に集中しすぎ
『無責任な父親』とは対極にいる子育て中の父親はどのように考えているのか。父親の育児やシングルファーザーの支援を行う『NPO法人ファザーリング・ジャパン』の徳倉康之理事に聞いた。
「無責任な父親は私たちの団体には、まず問い合わせてはきません。生物学的な父親ではなくて、『お父さん』は子どもが生まれ、成長していく過程で芽生えていくんです」
妊娠中を含め父親がそばにいなくても子どもは育つ。母子と距離をとる男性は関心ごとからはずれていくという。
「もっと言えば無責任な男性はきちんと避妊をしない、お付き合いに関しても手順を踏まないなど、すでに無責任な行動をとっているんです。だからこそ逃げられるのだと思います」(前出・徳倉さん)
子育ての第一責任者は母親だという意識も依然として根強いことも起因する。
「子育てに関する抜本的な支援の強化も必要です。虐待事件を含め、実母が加害者になることがありますが、そこには子育ての負担が母親に集中している背景があります」
と女性支援や性暴力被害の根絶に尽力する日本共産党の本村伸子衆院議員は訴える。
「結婚していなくとも父親は父親。養育責任は養育費の支払いも含めてあります。子育ての負担についても、両親のどちらでもシングルで子育てをする可能性はありますから、家族だけに負わせずに、社会全体で子育てをする仕組みをつくることが必要です」
しかし、『無責任な父親』の意識を変えることは難しい。
法で裁かれなくても『無責任な父親』たちの犯した罪は永遠に許されることはない。