末期がん男性のペットを引き取ったのは
また、ある男性は、末期の肺がんを患い「わんにゃお信託(R)」の契約から1年後に亡くなった。男性が飼っていたペットはペットライフネットが引き取り、新しい里親に養育費を渡し面倒をみてもらうことになった。
注目すべきは、その新しい里親が高齢夫婦であること。愛護団体では通常、犬猫の里親になりたいと思っても高齢者には譲渡しないことが多いが、吉本さんらは「リタイア後で時間があり、ペットに手間をかけられる」と判断した。仮に里親が亡くなるなどの問題が起きても、再びペットライフネットが引き取る仕組みなので、大事なペットが行き場を失うことはない。
「年をとると友達も年々減っていくし、最近はコロナで人とも会えないでしょう。でもペットはマスクもつけんと寄ってきますよ(笑)。あったかいし、すねてもかわいいし、(ペット愛好家にとって)暮らしに不可欠な存在です」
気になる費用は、犬で約300万円、猫で約150万円から。終生飼育の料金は細かく相談できる。
寿命が延びるにつれ、さまざまなケアやサポートが必要になるのは、ペットも同じ。愛情から生まれた仕組みは今後、ますます需要が高まっていくだろう。
(取材・文/吉田千亜)