菅田の本当の“問題発言”

《『3年A組』(2019年、日本テレビ系)ってドラマやらせてもらったときも、最終回15パー超えたのかな? で、もう、“うぉ〜”“すごい”って、“よかったね”ってなったんですよ。30パーは、だから余計なことしないでほしいな(笑)。

 今はもう、“昔で言う30パーが10パー後半とかっていう時代なんです。今は、そういう時代なのかな、(ドラマを)見なくなってるのかな。でも、頑張っていきましょ、価値は変わんないですから”っていうものが、(『半沢直樹』で)変わってきとるから。いや、(視聴率の数字)出るやん。出るやん、ってなってまう。事実、出とるし。イケるやん。言い訳ですやん。本当にすごいよな。変わってくるもんなルール》

 インターネットなど、新メディアの普及によって消費者の選択肢が増えたことから、世間ではすっかり「テレビ離れ」が加速。放送されるドラマが視聴率20%、30%を超えていた時代は過去のものとなり、今は10%を超えれば大成功とされている。菅田は、この問題を改めて提起してみせたのだ。

「耳が痛いですね(苦笑)。確かに、制作サイドやテレビ局上層部、そしてスポンサー対応をする広告会社などでも、“10%を超えれば大成功”が当たり前のものとなっていて、たとえ視聴率が悪くとも“今はそんな時代なんですよ”と、テレビ離れやドラマ不況を言い訳してなあなあにしているのも事実でしょう。

 ですから、最低限の数字を確保するために手っ取り早い漫画原作を題材にしたり、とにかくイケメンを揃える安易なキャスティングに走りがちな傾向にあります。

 そんな中で『半沢直樹』は32・7%を叩きだした。本当に面白い原作を題材に、脚本を練って、演技ができる本物の役者を揃えて、しっかりとドラマを作り込めば今も視聴者を引き込めることを証明したのです。菅田君はものづくりに携わる俳優として、ますますテレビ離れが加速する危機感を訴えたのではないでしょうか」(キー局幹部)

 ラジオでは最後に「がんばろう」とぽつり呟いた菅田。“ドラマ不況”という虚構を打ち破ることができるか。