「やっぱり遊川和彦さんのオリジナル脚本。そして『35歳の少女』というタイトルに魅力をすごく感じ、惹きつけられました」
『35歳の少女』(日本テレビ系)が10月10日(土)夜10時にスタートする。1995年、不慮の事故によって長い眠りについた10歳の少女・今村望美(柴咲コウ)。時は流れ2020年、彼女は目を覚ます。肉体年齢は35歳だが、心は10歳のままで……。
「遊川さんには口を出されまくり(笑)」
柴咲の連ドラ初主演作『〇〇妻』('15年)以来、遊川脚本は2度目となる。
「みんな、生きていると人のことばかりが気になると思うんですが、このドラマは“自分をどう生きますか?”と訴えかけてくるよう。遊川さんはきれいごとをそのままにはせず、また違う見方、切り口で物語を紡ぐのがすごく上手な方。みんなが口をつぐんでしまうような、人間社会にとって都合のいい状態を打ち破ってくれるんじゃないかとすごく期待してます」
そんな遊川が、撮影に口を出すこともあるのかと尋ねると、
「口? 出されまくり(笑)。遊川さんは監督ではないけど、オリジナルで脚本を書かれているわけだから、頭の中に色や背景なども全部あると思うんですよね。私たちはそれを具現化していきたい。要求はとても高度なのですが(笑)、でも的を射ている。自分で客観的に見ても、“ああ、そっか。言ってることがわかった”ということが多いので」
『〇〇妻』は全話平均14・3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯)と高い数字を記録したが、プレッシャーは?
「時代も変わって、視聴率の見方も変わっている。数年前(のデータ)と同じものを追いかけるのはナンセンスだと思っています。私は人の記憶に長く残る、素敵なドラマができればいいなと思っています」
今作の撮影に挑むにあたり、珍しくアルバムをめくり、思い出を探る作業をしたそう。
「過去を振り返ることは苦手なんですけど、10歳のころは暗めな子でしたね(笑)。小学1、2年生くらいまでは、みんなまだよく“自分”がわからないまま過ごしていたように思います。だけど、そこから自我が芽生え、学校の中でも小さなグループ社会が作られていく。それについていけないタイプではありましたね。あとは、カメラやホームビデオで撮られることがすごく苦手な子でした」
なのに今、女優をやっていることが不思議だとおかしそうに笑う。