「送られてくるLINEが、歯の浮く台詞のオンパレードなんです。オーバー過ぎてドン引きしてしまいました。例えば、『今日は会社で打ち合わせがありましたが、集中できませんでした。気がつくと美貴さんのことばかり考えていました』とか、『庭に秋桜の花が咲きました。毎年きれいだなあと思って眺めていたのですが、今年は美貴さんを思うと花の美しさも霞んでしまいます』とか、『美貴さんが、僕の家に遊びに来ていただけるように、週末は部屋を大掃除しました』とか、まだお見合いを終えてから2回しかお会いしていないんですよ(苦笑)」
そして、3回目のデートを目前にして、こんなLINEがきたそうです。
『年齢的にも長く付き合うことはしたくないですし、結婚は決断なので、僕の気持ちはもう決まっています』
そのLINEを読んで、3回目のデートをするのが怖くなってしまったといいます。
「いい人なのはわかるのですが、こちらに来る気持ちの圧がすごすぎて。若いころの恋愛とは違うので、情熱的な言葉を言い合う関係よりも、穏やかな日常を過ごせる相手がいいかと思うんです」
こうして、3回目のデートをする前に、美貴さんは正之助さんにお断りを入れました。
お相手の気持ちを確実に手に入れるには
お見合いは、結婚を前提にした出会いです。生活圏内の出会いでは、“好き”という気持ちが育ってから、おつきあいがスタートするのですが、婚活の場合は、プロフィールで相手の情報を知って、“結婚”を前提に男女が出会い、そこからおつきあいがスタートするので、スタートした時点ではまだ、お相手を“好き”と言う気持ちが育っていません。
“好き”という気持ちを育てていかないといけないのですが、最初にどちらかが猛ダッシュをすると、そのスピードに気持ちがついていけず、違和感を覚えてしまうのです。
気持ちを育てるためには、毎日メールをしたり、最低でも1週間に1回は会ったりするなど、行動を起こしてコミュニケーションを取る時間を増やしていく努力が必要です。しかしそんな中でも、焦りは禁物。焦っている人間というのは、側から見ると行動や表情や言葉に余裕がないように感じ、魅力的には映らないのです。
マメに連絡をとり、女性にはお金を使わせず、こちらは最善を尽くしているのに、なぜいつもフラれてしまうのか。
そういう人は、気持ちが先走りしてカラ回りし、いわゆる下手に出過ぎてしまうのです。人間関係を築く時に、下手に出ている異性を好きにはなる人はいません。そういう相手に結婚を迫られたら、逃げたくなりますよね。
婚活の基本は、ハートは熱く、頭脳は冷静に!
マメに行動をしながらも、気持ちを押し付けるのではなく、冷静な視点を忘れず、“私は、あなたに好意を抱いていますよ。あなたの気持ちが熟せば、こちらは前に進む準備があります”というふうに、ドカンと構えている落ち着きが必要なのです。
鎌田れい(かまた・れい)◎婚活ライター・仲人 雑誌や書籍などでライターとして活躍していた経験から、婚活事業に興味を持つ。生涯未婚率の低下と少子化の防止をテーマに、婚活ナビ・恋愛指南・結婚相談など幅広く活躍中。自らのお見合い経験を生かして結婚相談所を主宰する仲人でもある。公式サイト『最短結婚ナビ』http://www.saitankekkon.jp/