伊藤の母親は声を絞り出して
悪評も多かった地元の声。実家に住む伊藤の母親にも話を聞いた。その姿は憔悴しきったように見える。
「本当にもう……何を言ったらいいのか……。被害者の方のご無事を願うばかりで、申し訳ございません」
そう話すと記者に向かって深々と頭を下げた。釈放後の伊藤について話を聞くと、
「本当にもう、すみません……」
声を絞り出すように言うと、その場を立ち去った。
「これから僕自身、一生かけて償っていきたいと思っています」
伊藤は保釈時にこのように語っていた。交通事故を起こすことはもちろん問題だが、芸能人だろうが一般人だろうが、起こすときは起こしてしまうもの。大切なのは起こしてしまったときの対応だ。人をひいてしまった際、即座に車を停め、真摯に対応していればこのような事態にはならなかっただろう。
“償う”ことも大切だが、もっとも伊藤が改めなければいけないのは、目上の人をバカにし、タバコを隣家に投げ捨て、そしてひいた人を無視するような、他人をないがしろにするようなその性格のはずだ。そこが変わらなければ、今年4月の“別の事故”のように、彼はきっと何度も“償う”ことになるのではないか――。