“愛情たっぷりのレシピ”と料理のプロも絶賛
劇中に登場する料理のレシピを担当するフードコーディネーターによると、
「龍は、見た目と裏腹にスーパー専業主夫であり、丁寧さや気配りにあふれている人。そのギャップが出ればいいなと思っています」
とのことで、料理自体は極道とはイメージが真逆のほっこり安心感がある家庭料理がベース。そこに、ぶっ飛んだ極道言葉を重ねたことで、斬新すぎるレシピに進化したというわけだ。では、どうやって“極道うたいレシピ”が誕生したのか。
「きっかけは、ドラマのポスターのコピーを担当してくださったコピーライターさんから、龍が使うような言葉、例えば弁当箱をブタ箱と言ったり、材料をシャバに出すとか言うようなレシピがあったら面白いとアイデアをいただいたことです」
そう話すのは、“極道うたいレシピ”の生みの親で、ドラマの宣伝を担当する読売テレビの小林杏奈さん。龍をイメージして、塩→しょっぱい白い粉、細切り→薄くしばく、全体がなじむ→すべて手打ちするなど、レシピの文言を次々に極道言葉にシフトしていったとか。
「身近に極道はいないので、大阪の岸和田出身の同期を思い出して書いています(笑)。普段から、この言葉を極道風に言ったらなんて言うだろうというのを、つい考えるようになっていますね。水って、なんて言えるかな? とか。さすがに、水は水ですが……。
あまりに極道変換しすぎて、今やパソコンで“か”と打つと、“カチこむ”と予測変換されるように(笑)」
でも、レシピのすごさは言葉のおもしろさだけにあらず。実は料理のプロさえも「上級テク」と唸るレシピなのだ。第5話に出てきた『肉だんご鍋』のレシピを見てみよう(以下、ドラマの公式インスタグラムより)。
(1)まずは、肉団子のもと作りからや。ブタ箱に切り刻まれた豚肉、こっぱみじんにした野菜野郎と白い粉と黒い粉を加え、泣きが入るまで握りつぶすんや。
(2)(1)にちょっくら水を加えながら懲役ロング、最後に香ばしい油を加えて、こねるんや。
(3)好みの野菜・豆腐などをドスでカタにはめるんや。
(4)スープの材料を大きめのブタ箱にカチこみ、スープ作りや。
(5)スープがグツグツ煮立ったら、肉団子の塊を、タマ取られんようにスプーンで丸くしながら、鍋に沈める。肉団子に半分ほど火が通ったら、野菜野郎やシャバのあかしの白い豆腐を入れて手打ちや。
“懲役ロング”“タマとられんように”“シャバのあかし”など、相変わらず理解不能なワードが並ぶものの、管理栄養士の森下久美子さんに分析してもらうと、
「肉団子はよく練ってから水を加えるのが正解。かなり上級テクですね。野菜がたっぷりで腸内環境がよくなり、身体が温まるので免疫力アップ。インフルエンザ、コロナ対策もよく考えられています」
と絶賛。さらに、
「家事コツやキャラ弁も参考になるので、私も龍のインスタをフォローしました(笑)。愛情とサービス精神がないとできないことなので、私も見習いたいです」とフォロワー宣言!