(5) ニンテンドースイッチ
実は私の場合、この春の緊急事態宣言で一番不足してしまい、逆に幸運にも手に入ってなんとか事態を乗り切れた製品がゲーム機のニンテンドースイッチでした。
自宅に籠る時間が増えて市場全体でゲームへの需要が増え、そこで「あつまれどうぶつの森」というゲームソフトが大ヒットし、さらにはサプライチェーンである中国でも新型コロナの影響で生産が滞ったことで、ニンテンドースイッチ本体はまったく手に入らなくなったのです。
わが家の場合の問題は、週2回通っていたフィットネスジムに行けなくなったことです。それで4月頃にはすっかりコロナ太りになってしまいました。
ニンテンドースイッチで運動できるゲームがいくつかあって、その中の「リングフィットアドベンチャー」を手に入れたかったのですが、これが人気品薄で手に入らなかったのです。当時、ヨドバシカメラやビックカメラがオンラインで行っていた抽選倍率が40倍程度だったと記憶しています。
転売屋を儲けさせたくない人へ
現在も店頭ではゲーム機本体の売切れ状態が続いていますが、それでも以前よりは抽選や入荷日当日の入手はしやすくなっているはずです。あとこれはあまり推奨してはいけないかもしれませんが、入手しやすくなったことでメルカリでの転売価格の相場もかなり下がっています。直近で調べたら本体価格が小売店で3万2970円(税込)のところ、新品送料無料の条件で4000円程度の上乗せで手に入れることができます。
3万7000円でのメルカリ出品では実は転売屋さんは赤字です。メルカリに10%の手数料、つまり3700円を支払わなければいけませんし、宅配便で1000円はかかりますから。転売屋さんを儲けさせるのはダメだという方でも、いまのうちならメルカリはいいかもしれません。
かといってこれらの商品の買いだめを推奨するつもりはまったくありませんが、コロナの第3波が本格化する前に、余裕を持っていろいろな準備を進めておきたいものです。
鈴木 貴博(すずき たかひろ)経済評論家、百年コンサルティング代表
東京大学工学部物理工学科卒。ボストンコンサルティンググループ、ネットイヤーグループ(東証マザーズ上場)を経て2003年に独立。人材企業やIT企業の戦略コンサルティングの傍ら、経済評論家として活躍。人工知能が経済に与える影響についての論客としても知られる。著書に日本経済予言の書 2020年代、不安な未来の読み解き方』(PHP)、『仕事消滅 AIの時代を生き抜くために、いま私たちにできること』(講談社)、『戦略思考トレーニングシリーズ』(日経文庫)などがある。BS朝日『モノシリスト』準レギュラーなどテレビ出演も多い。オスカープロモーション所属。