稲垣吾郎がベートーベンを演じる舞台『No.9−不滅の旋律−』が12月13日に幕を開けた。2015年、18年に続く再々演だ。
「新しい地図」アート面で活躍
彼はまた、NHKの『ベートーベン250』プロジェクトでアンバサダーも務めている。この大作曲家の生誕250年を記念する企画の案内役として、さまざまな番組に登場。交響曲『運命』の冒頭を実際に指揮してみた際には、
「全然、僕が聴く『運命』と違うんですけど。(略)すっごくリズムが難しいですね」(10月18日放送・Eテレ『クラシック音楽館』)
と、苦笑したりしながら、ファンの立場でベートーベンの魅力を伝えた。
かと思えば、草なぎ剛はバレエをモチーフとした映画『ミッドナイトスワン』に主演。しかも、トランスジェンダーの役とあって、話題を集めた。
そんな草なぎを、香取慎吾はファッションで応援。一昨年に立ち上げたファッションブランドで『ミッドナイトスワン』とのコラボTシャツを発表した。インタビューでは、こんな話もしている。
「リモートワークが続いて服が売れない状況だからこそ、あえて服を作りたいとも思う。(略)世界中が模索しているからこそ、もしかしてチャンスなんじゃないかと」(WEBサイト『リアルサウンド』)
また、雑誌の表紙画を手がけたりもした。
というように、今年、新しい地図の3人はアート面での活躍が目立った。これはおそらく、偶然ではない。それぞれの適性もさることながら、新しい地図が生まれた経緯にもじつは合っているのだ。
なぜなら、アートには勝ち負けより自分らしさを優先でき、多様な個性を生かせるイメージがある。SMAPが解散したとき、彼らは結果としてメジャーシーンでの活動が難しくなったが、そのぶん、ネットなどを活用して、以前より個性的な活動をするようにもなった。草なぎがトランスジェンダーを演じたのも、そのひとつだろう。
そんな経緯と独立後の姿に、戦うマイノリティーというものを見て共感するファンがいる。実際『ミッドナイトスワン』はテレビでの宣伝不足をネットでの口コミが補うかたちでロングランを記録した。