残された“生きた証”
一見、すべてゴミに見えるが、細かく見ていくと、その人が生きていた証がところどころに残されていた。それは、キッチンに放置されたあるモノにも表されている。
「ゴミ屋敷でたまに見かける光景ですが、コンロ周りに卵の殻が捨てずに積み上げられているんです。それも、すごい数。それを再現するために、卵の殻をたくさん作りました。なぜ卵の殻なのかはわからない。卵って調理しやすいから、そういった理由もあるのかもしれませんね」
続いて小島さんが指差したのは、冷蔵庫の上。
「クレジットカードやポイントカード、宅配便の不在届や書類など、貴重品や大事なものが一箇所にまとめて置かれています。大切なものの置き場だけは、把握しておくためでしょう」
これだけのゴミを片付けるのも大変そうだが、まだ壁が見えるだけでもいいとか。中には4tトラック2台分のゴミが出た家も。
「天井までパンパンにゴミが部屋に入っていることもあります。ちょっとした隙間があれば、クロールするように入っていけますが、天井まで埋まってると入れないので、入り口から順番にゴミを出していくしかありません。
本当に体力が必要なんです。私も入社してから6キロくらい太りました。いっぱい食べて体力つけないと倒れてしまうので。男女関係ないですし、体力面に加えて精神的にもつらい部分がありますから」