アンチコメントに「死ねるわけねぇ」
大仁田 原田さんもわかると思うけど、今は何かやればネットで叩かれる時代でしょ。こんな商売をしていると、大量に「死ね」って書き込まれることもあるから、極力ネットは見ないようにしてます。
原田 僕も基本的には見ないですね。否定的な書き込みを見たとき、どう感じました?
大仁田「お前のために死ねるわけねえだろ」と思ったね。
原田 そうですよね。そもそも、大仁田さんは危険を伴うお仕事をされてるじゃないですか。いつ死んでもおかしくない。プロレス史上、もっとも流血しているレスラーだと思うんですよ。
大仁田 たしかに、命の危険がある「敗血症」になっても死ななかった。神様が不思議と生かしてくれてるから、今さら顔もわからないやつに死ねって言われてもねえ。
原田 普通の人なら死んでますよね。爆破されても死なないのは、意味がわからない!
大仁田 でも、あれは危ないんだよ。
原田 そりゃ危ないですよ!(笑)
大仁田 しょっちゅうヤケドしてるし、今は試合する前にPCR検査も受けなきゃいけないし……。いろいろ大変な部分はあるけど、プロレスは最後までやりたい。80歳のおばあちゃんが試合を見に来てくれたり、昔のプロレス少年が子どもを連れて観戦に来てくれたりして、今はそいつらが支えてくれてるからね。
原田 大仁田さんが登場すると、みんなが元気になりますからね。雲間から出てくる太陽みたいですよ!
大仁田 ずいぶんヨイショしてくれるじゃねえか(笑)。今度、俺とリングに上がってくれよ。
原田 本当ですか!? 絶対に行きます!
原田龍二「本日の、反省」
大仁田さんを読み解くキーワードは“邪道”。邪道とは言い換えてみれば、唯一無二ということ。本流の人にはまねできない生き方をされてる証拠ですよね。プロレスファンでなくてもその生きざまを目撃している、大仁田厚という表現ですよね。会ってお話しするだけで元気になれるし、もともと前向きな僕でも「落ち込んでる場合じゃない」と背中を押されました。大仁田さんは元気の先輩です!
【取材・文/大貫未来(清談社)】