父は「暴力をふるったりするような子じゃない」
大阪に住む冒頭の父親は、事件について、釈然としない思いがあるようだ。
「近くの人がマスクをしていなかった息子をヤジって“あっちへ行け!”みたいなことを言うたんで、それを客室乗務員の人に“注意してくれ”と言ったんでしょう。
息子はちょっと理屈っぽいところはあるけど、おとなしくて決して殴ったり、暴力をふるったりするような子じゃないですよ。どうも無理やりこじつけて罪にされとるような感じやね」
容疑者が激高した理由に心当たりはないのだろうか。
「息子が大声を出したと言うてるけど、言葉づかいはむしろ丁寧(ていねい)なほう。“マスクをしてください”と何度も言われたけど、それを断っただけでしょう。そもそも、飛行機は席をあけて座るから、そこまでうるさく言わんでもねぇ。
“席を移動してほしい”とも言われたけど、それも断ったと。ただ、それだけのことでしょう」
奥野容疑者は健康上の理由で、マスクを着用できないと主張しているが、持病があるのだろうか。
「いや、私たちと一緒に生活しとったときは、そんなんはなかったけどね。別々に暮らすようになってから15年以上にもなるんで、いまがどうかはよう知らんけど。息子はツイッターに“健康上の理由”って書いとるからね」
私立大学の臨時職員をしているわが子の発信はよく見ているという父親。
息子と同じ19日に逮捕が報じられた、大学入学共通テストで鼻だしマスクをしていた49歳の男を引き合いに、こう言葉を強めた。
「あれもそうやと思うけど、息子が逮捕されたのも、ちょうどコロナで緊急事態宣言になったから、そのための見せしめですやん! 過剰反応だと思うわ。なんか裏で大きな力が働いているような気がするなぁ」
逮捕、移送時もマスク着用を拒否してた容疑者。これから、留置場でも取り調べでも父親との面会の場でも、“ノーマスク”を貫きとおすのかーー。