《彼は永遠を信じ、かつ揺るぎない愛を信じている》
赤西の自作曲『Eternal』は当時、ライブで披露され話題を呼んでいたが、音源化されていなかった。それが2011年、ソロデビューの際にシングルカットされた。友人の結婚式で歌うために作っていた(『anan』2010年1月20日号より)こともあってか、歌詞は全て日本語で構成されている。当時の赤西は英詞の曲を量産していただけに、ひときわ人気を得ていた。実際、かなりいい曲である。
ファンを顧みない奔放な言動や私生活により、ファンを適者生存の環境に置いてきた彼のカリスマ性の最たる象徴はやはり、ステージ上でのパフォーマンスだったのかもしれない。
以下は『オリ・スタ』という雑誌に掲載されたライブ『Yellow Gold Tour3011』(2011年)のライブレポートだ。
《最後の『Eternal』は、優しかったり激しかったり、彼の多彩な息づかいが感じられる曲である。過去から現在へ、そして未来へ。彼は永遠を信じ、かつ揺るぎない愛を信じている。自分を愛してくれる仲間とファンを信じている。彼の、そんなピュアな想いが、歌声から伝わってくるようだった》(『オリ・スタ』2011年1月31日号)
この記事は女性のライターが執筆したものなのだが、彼女の筆致もまたグッとくるものがある。ファンどころか赤西の活動を伝えるメディアさえも“仁の音楽=魂”と解釈するほどの入り込みようだ。しかし、このライブから1年後、ついに“その日”が訪れる。
“エターナル投稿”の前日に発表された『デキ婚』報道
2012年1月25日、赤西と黒木メイサの交際が発表されるのだ。
前年の11月にメイサにF1レーサー・小林可夢偉との“箱根温泉で密会”疑惑が出たばかりだったこともあり、寝耳に水。世間に衝撃が走った。さらに直後、追い打ちをかけるように「デキ婚していた」と報道(2月9日)。ジャニー喜多川氏もそのことを新聞で知ったことや、メイサがCM契約中にも関わらずスポンサーを無視して婚姻届を出していたことから“突破婚”とスポーツ紙に踊るほどの混乱ぶりであった。そんな喩え聞いたことないって。
その結婚発表から日付が変わって間もなく、2月10日0時22分。《デビュー前からのファンだけど別に発狂してないよ》──あの投稿がなされたのだ。
まさかの“突破婚”に驚かなかったはずはない。状況は全く飲み込めない。それでも、“仁に振り回されるのは慣れてるし”と強がり、“こんな奴だけど好きなんだからしょうがない”と受け入れてみせたのだ。きっと、そのようにして名文は誕生したのである。
あれから10年“エターナルさん”本人は今、赤西のツイートをみて何を思っているのか。
気になっていろいろと検索してみたが「現在はキスマイ玉森担らしい」といった真偽のほどは定かではない書き込みを見つけた程度で、有力な情報は得られなかった。が、そもそも詮索すること自体が野暮だと気づいた。どうでもいい。いつかDNAは混ざり合うわけだし、それがファンと仁とのEternalだし。
〈皿乃まる美・コラムニスト〉