1月27日、『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』が韓国で封切られ、好調な滑り出しを見せた。日本国内でのフィーバーぶりは誰もが知るところだが、海を越えた異国の地にも、ブームの波は広がっている。
『鬼滅の刃』アニメ続編はあるのか?
「これまで、日本国内の興行収入がトップだった『千と千尋の神隠し』を追い抜いたのが昨年末。あれから1か月以上がたっても観客動員数は伸び続け、現在では365億円を突破しました。韓国でもどこまで興収を稼ぎ出すのか、注目が集まっています」(スポーツ紙記者)
記録づくめの“ドル箱”作品なのに、アニメ化されているのはまだ全体の3分の1ほど。それだけに、続編製作についてはファンからも大きな期待が寄せられている。すでにプロジェクトが進行しているのかと思いきや、一筋縄ではいかないようで……。
「これからどのような形で作っていくのか、制作チームの中で争っていて、しっかりまとまっていないそうなんです」(映画配給会社関係者)
いちばんの争点は、テレビと映画のどちらで放送するかだという。
「地上波の放映権を持っているフジテレビとしては、映画の続きを地上波でゴールデン帯に放送したいんです。しかし、映画の題材となった”無限列車編”の次は”吉原遊廓編”という、主人公の竈門炭治郎たちが風俗街に潜入するという話のため、放送倫理に触れる恐れがあるんです。ただでさえ血しぶきや残酷な描写も多い作品なので、難色をしめすスポンサーもいるんですよ」(同・映画配給会社関係者)
課題はこれだけではない。
「“吉原遊廓編”の次は“刀鍛冶の里編”という炭治郎が所属する“鬼殺隊”の武器を作る土地を舞台にした物語。ストーリー的には問題ないのですが、この話には人気キャラクターの我妻善逸や嘴平伊之助が、まったく登場しないんです」(漫画雑誌編集者)
昨年秋に『週刊少年ジャンプ』で発表されたキャラクターの人気投票では、善逸は1位、伊之助も6位と多くのファンから支持を集めていることが証明された。彼らを1シーンでも多く登場させたいという思いは、わからなくもない。
「フジテレビを含め制作側はストーリーの変更や、彼らの追加エピソードが作れないかを原作者側といろいろ調整しているそうです。映画が公開して半年もたっているのに続編の情報が出せないのは、こういった事情があるからなんです」(前出・映画配給会社関係者)
この件に関して、地上波の放映権を持つフジテレビに問い合わせたところ、
「そのような事実はございません」
と否定したが、フジテレビには一歩も引けない切実な事情がある。
「近年、視聴率の低迷が続くフジですが、昨年10月に2週にわたってゴールデン帯で『鬼滅の刃』を放送したところ、世帯視聴率はどちらも15%超え。
12月10日には『M-1グランプリ』と同時間帯の放送だったにも関わらず『鬼滅の刃 柱合会議・蝶屋敷編』が、14%という高視聴率を記録しました。ここまで数字を稼げるコンテンツですから、フジとしてはなんとか地上波のアニメで続けていきたいんですよ」(アニメ制作会社関係者)
なかなか結論が出なそうだが、幸いまだ時間の猶予はある。
「今はまだ“無限列車編”が映画館でも上映してますし、コラボ商品の影響もあり、話題が途切れていません。しかし、続編企画がまとまらず長い時間がかかってしまうと機を逃してファンを失ってしまう恐れがあります。なるべく早く結論を出さなくてはいけないでしょうね」(同・アニメ制作会社関係者)
問題は山積みだが、制作スタッフたちは 解決に向けて“全集中”してほしい!