「この店で働いているホステスは、離婚や、親の介護と苦労はいろいろ。でも1度お店に来たら、そんな苦労もすべて忘れて笑っていられる。まさに別世界ね。そんな私たちの気持ちを知ってか知らずか、この年まで雇ってくれるママには親以上に感謝しているわ」
いまだ猛威をふるい続ける新型コロナウイルスの打撃は、京子さんたちの店も例外ではない。2度の緊急事態宣言ではお店の売り上げも大きく下がった。
「お店も時短営業だけど、それでも自分たちに会いに来てくれるお客さんがいる以上、笑顔で仕事しないとね」
京子さんは笑う。
「クヨクヨしてても始まらないわよ」
作中で中尾ミエ演じるチーママの真知が新に語るセリフだ。現実の熟女バーのホステスたちもみんな口をそろえて言う。
「ママもホステスさんも常連男性も同年代。気兼ねもないし、学生時代に戻ったみたいで楽しいですよ」(都内のスナックに通う50代の女性)
今宵もどこか街の片隅で看板に灯りをともす熟女バー。迷いを捨てて扉を開いてみては?