「やっちまったな」

 そんな声が聞こえてきそうだ。不倫が報じられた小川彩佳アナの夫、豊田剛一郎氏の不倫相手(ここではA子さんとする)が不倫交際の一部始終を『週刊ポスト』(2月19日号)で告白したのだ。

 芸能人の不倫騒動が起きたとき、報道があった後に不倫相手の女性が週刊誌に告白したり、さらにグラビアに登場したりするのはよくある光景だ。週刊誌の記者たちが編集長から、

この女性を見つけて告白させろ。できればグラビアもできるように口説いてこい

 とはっぱをかけられるものだ。

 ただ、そういったかたちで週刊誌上に登場する“お相手”というのは、大抵がタレントや女優など芸能人(元芸能人)であることが多い。一般人の場合でも、週刊誌に登場することをきっかけに、芸能界デビューを目論んでいるような女性たちばかり。

本人以外は撮ることが不可能な写真も

 なぜ純粋な一般人が告白するパターンが少ないか。それは、メリットがなければわざわざ週刊誌で喋る必然性がないからだ。

 今回の豊田氏の相手、A子さんは、ウェブ関係の仕事をしている一般人だという。そんな彼女が『週刊ポスト』で告白するメリットがあるとは思えない。第一報でもないので、雑誌サイドからの謝礼があったとしても、高額な料金は見込めないだろう。

「豊田さんの不倫をスクープした『週刊文春』では、A子さんの友人が記者に話をリークしたことになっているが、“実際はA子さんがリークしたのだろう”と疑う人も多かった。おそらく彼女の周りでもそうみている人がいるんでしょう。あるいは、記事を出されたあとの自身に対する世間の反応に納得がいかなかったということかもしれません。

 どちらにせよ、そういったモヤモヤを抱えているときに、週刊誌から取材のオファーがあったんでしょうね。渡りに船ということで取材を受けることを了承したのだと思います。週刊誌サイドはおいしいでしょうが、彼女は果たして疑惑を晴らすことができたのか疑問です」(写真誌記者)

 不倫報道だけではないが、記事中に“友人”や“知人”の証言というのがよく出てくる。実際に友人や知人が語っていることもあるのだろうが、疑わしいものもある。また掲載されている写真についても、本人以外は撮ることが不可能と考えられる写真も多々見受けられた。特にベッド写真やラインのスクリーンショットだ。

《豊田さんとの関係を打ち明けていた友人が何人かいますし、私の家に泊まりに来た時などはスマホも見られたかもしれない》

 彼女はそう『ポスト』の取材に答えている。豊田氏のベッド写真やライン画像が、彼女の家に泊まりに来た友人か知人によって盗み出されたのではないかと言っているのだろう。だが、この証言を信じるかどうかは各人各様。“苦しい言い訳”だととる人も少なくないだろう。

 また、告白を載せた『ポスト』サイドにとっても“リークしたのは私じゃない”という弁解だけでは記事にならない。まだ知られていない不倫交際の詳細を語ってもらう必要がある。しかしそれが彼女にとって新たなバッシングを生むことになるとは気づかなかったのか。

「ベッキーや渡部建らのときと比べて、豊田氏のケースは不倫内容としては“何の変哲のない”です。また小川彩佳アナの夫だとしても豊田氏はいわば一般人。世間の興味はすぐになくなるものです。現に報道から1週間たつと、大きく扱うメディアも減りました。メディアにとっては小川アナが離婚するのかどうかは気になるところですが、ほぼほぼ鎮火しつつあったわけです。にも関わらず、あの告白で再び火が付いた感があります」(前出・写真誌記者)

 小川アナの心労を察してか、確かにネットの声をみても、メディアを“渡り歩く”A子さんへの風当たりは強い。そして、この時代において、さらに危惧されるのは彼女が特定されることだ。“キジも鳴かずば撃たれまい”ではないが、告白記事が出たことで、この女性がどんな人物なのか、どんな容姿なのか知りたいと思う人が必ず出てくる。“ネット探偵”は匿名報道された人物を特定するのに必死だ。

 そして、気になるのは小川アナの今後の動き。

女性が週刊誌に豊田氏との交際の詳細を語ったことで、かなりショックを受けているようです。内容も生々しく、できれば知りたくなかったでしょうし。“電話での直接対決”の内容まで話されてしまった怒りもあるようです。離婚も視野に入れていると聞きましたが、そうなると夫に慰謝料の請求もあるかもしれません。また女性に対しても賠償請求をする権利がありますので、小川アナの怒り方次第では女性もタダでは済まないでしょう」(スポーツ紙記者)

 A子さんはただ単に、弁明がしたかっただけなのかもしれないが、告白はあまり得策ではなかったようだ。数か月後、グラビアに登場していたら話は別だが──。

<芸能ジャーナリスト・佐々木博之>                                                                            ◎元フライデー記者。現在も週刊誌等で取材活動を続けており、テレビ・ラジオ番組などでコメンテーターとしても活躍中。