ヨネスケによると、“息をしてる家”と“息をしていない家”という違いがあるという。
「息してる家は、散らかっているけど玄関の前に子どもの自転車があったり、猫が寝てたり、鉢植えがあったりと、生活感があるんです。こういった家には入れる。逆にすごくきれいな家は、ほぼ息してない。こういう家には、入れないんです」
ロケ地に着くと、まずは家並みを見て歩く。
「そうすると、息してるかどうかがわかります。ある程度“アタリ”をつけたら、八百屋さんとか、奥様方の集まる場所に行って“目立つ奥さんいませんか?”と聞くんです。そしたら“あの辺に住んでる”なんて教えてくれて」
突撃ロケの達人の領域だが、
「番組スタートの1軒目はディレクターが仕込んでいたんです。おばあちゃんが“いらっしゃいませ”と三つ指ついて待っていて。食卓にはうなぎがあって、てんぷらがあって、寿司があって……。しかも、ご主人はネクタイしていて。どう見たって嘘じゃないですか。あまりにリアルな晩ごはんじゃなかったから、2軒目からは“いいよもう、俺が決めて突撃するから”となりました」
だからこそ、こんなハプニングも。
「明らかにカタギの家じゃなかったことが……。着物姿の奥さんが出てきて。台所で鍋の蓋を開けたりしてたら、そこの旦那さんが“誰だ! うるせえこと喋ってんのは”って。お蔵入りになりました」
土下座すれば文句は言われない
当然ながら断られるときだってある。そのときは……。
「基本、土下座です。“何様だ!”“NHKしか見ないんだよ!”“テレビだからってデカイ面するな!”と言われたこともありました。海外でのロケでは“日本人、大嫌い”とも。でも、土下座しちゃえば、それ以上の文句は言わない。実際は“不法侵入”かもしれないけど、1度も訴えられていないんです」
突撃していない県はないというヨネスケだが、地域による文化の違いもリアルに感じとってきた。
「地方はウェルカムですよ。大阪なんかもウェルカムでしたね。断るなんてまずない。東京の世田谷は難しくて、1回しかやってない。東京は下町じゃないとダメです。かと思えば、広島や名古屋も入りづらかったな」