獣医師からの説明、そして現場を見て浮かぶ疑問と不信感。奥さんはその場にいた専門学校の学生やスタッフに、すがるようにこう伝えた。

「一緒に洗っていたという人たちに僕の電話番号を渡しました。大山田氏がいないところで言いたいことがあれば、連絡してきてほしいと。そうしたらその日の夜に“こういうことをやっていました”という連絡があったんです」

首をきつく締め付け、弱った犬を無理やり…

 “内部告発”の内容とは──。

「大山田氏は、シャワーをする際、首輪を使って固定していたそうなんですが、息がしづらいくらいきつく締め付け、“伏せ”をさせて顔にお湯をかけていたそうです。は鼻に水が入ると痛がったり、肺に入ってしまったり危険なので、プロがそんなことをするはずがないですけど、それをしつけの一環としてやっていたと……。

 しかも、アダムが自分で動けなくなるまで何度もくり返して、その後は乾燥機に入れたというんです。乾燥機は用なので、そこに入れること自体は問題ないと思いますが、弱っているを3人くらいで引きずって無理やり入れるという行為は異常だと思います」

 奥さんは告発の内容をもって大山田氏に再度確認したが、彼女はいっさい認めず「しつけの一環で抑えつけたら死んでしまって、事故死です」このような返答だったという。

解剖によって、病気で死んだわけではないことは確定しているわけですから、アダムは大山田氏に殺されたと思っています。大山田氏自身は訓練やしつけの資格を持っていないんですよ。働いているスタッフが資格を持っているだけで、彼女は持っていません」

“病院完備”とうたいつつ、まるで機能していない

『わんわんハウス若松店』は“病院完備”とうたっていたようだが、そこで助けることはできなかったのだろうか。

その病院というのが、普段は物置のような状態になっていて、まるで機能していないようなところだったんです。病院には先生がいるわけですが、週1回『わんわんハウス』が経営する学校で生徒を教える日にしか来ていない。そのため預けられたの体調が悪くなっても、先生がいない日のほうが多く、いつでも診てもらえるわけじゃなかったんです。もし先生がいる日に診てもらっていたら、助かっていたかもしれないと思うと……。

 また、これも告発で知りましたが、一時放置した後に、“そろそろ病院に連れていかなくてはまずくないですか?”という話になり、併設の病院とは別の病院に連れていったそうです。でも、そこに着いて5分くらいで亡くなったと……。同様の事故は、ほかの店舗でも起こっていると聞きました