三浦容疑者は、警告を受けてもなお行為を続けていた。こうした場合、ストーカー規制法により2年以下の懲役、または200万円以下の罰金が科せられる可能性がある。しかし、初犯の場合は罰金刑となるケースが多いという。
「三浦容疑者は罪の意識が希薄だったのだと思います。彼の中では“自分はストーカーなどと言われるほどのことはしていない”という感覚だったのではないでしょうか。しかし、今回の行為を客観的に見たら、ストーカー行為に該当することは否定し難いと思います」
自分の行為で相手が迷惑をこうむることを想像できない。執着とひとりよがりな考え方に取り憑(つ)かれていたことがこの事件を引き起こした。
メモを貼られたらできるだけ触らず
警察にすぐ相談を
もしカバンの中に見知らぬ人からのメモが入っていたら、どのように対応したらよいのだろうか。
「できるだけ触らないようにしつつ、それを持って警察にすぐ相談してください。相手を特定できれば警告を出してもらえるでしょうし、警告はのちの逮捕への足がかりともなります。場合によっては、周辺の見回りを強化してくれることもありますので、とにかくひとりで抱え込まないようにしましょう」
だが、被害者たちは彼らに怯(おび)えながら生活をするか、引っ越しを余儀なくされる……。あまりにも理不尽な犯行なのだ。
前出の島田さんは、現在も当時の通勤経路を利用できないでいるという。
「しばらくは電車に乗るときには常に周囲を警戒したり、うかつに外も出歩けなかったり……なんで私がこんな思いをしなきゃいけないんだ、って憤りと許せない気持ちでいっぱいです」
加害者は声をかけるのを躊躇(ためら)い、メモを渡すという行為で純愛を気取っているのかもしれない。だが、やられたほうにとっては、顔が見えない相手に見張られているという恐怖を抱えたまま生きていくことになる。
『メモ男』たちは、自分たちの行いが卑怯な行為ということを自覚しなければならない。