トシちゃんはジャニーさんの最高傑作
ジャニーズ時代のトシちゃんは、『金八先生』に同じく出演していた近藤真彦・野村義男と3人で“たのきんトリオ”として一世を風靡した。当時を知るジャニーズに詳しい芸能記者は「正直、歌も演技もそこそこ、というか、むしろ下手な部類だったかもしれません」と笑いながら続ける。
「だけどスターオーラは抜群でした。あの特徴的な『アッハハハハ』という笑い声に代表される底抜けに明るい雰囲気、それでいて、ふとした瞬間にみせる孤独そうな表情。その両面を併せ持つところが、まさにジャニーさんのドストライクだったのではないでしょうか。
ジャニーさんが大好きな『ウエスト・サイド物語』やジェームス・ディーン、そして今回の番組でも披露したマイケル・ジャクソン。それらの要素を持ち、お茶の間ウケするキャラ。そんなトシちゃんを“ジャニーさんの最高傑作”と位置づける人も少なくないようです」
タレントと友達のような感覚で接したいジャニーさんにとって、トシちゃんのキャラは相性抜群だったかもしれない。
「トシちゃんが過去の著書に書いていたのですが、ジャニーさんと一緒にタクシーに乗っていたとき、トシちゃんがオナラをしちゃったそうなんです。それを、『くさいよ、ジャニーさん!』とジャニーさんのせいにした。タクシー下車後にジャニーさんは『YOUはほんとに腹黒い!』と激怒したエピソードがあったそうです(笑)。独立後もメリーさんのもとをたびたび訪れたりしていたようですし、ジャニーさんもメリーさんも大好きだったのではないでしょうか」(同)
ジャニーズのカウントダウンコンサートなどで、時折トシちゃんの曲は後輩によって歌い継がれている。後輩たちにとって、年齢を重ねてもアイドル要素を失わず、一線で活躍しているトシちゃんの存在は大きいはず。
還暦を迎え、3月2日には『徹子の部屋』に出演し、『ザ・ベストテン』時代からずっと母のように慕う黒柳徹子とのトークは大いに盛り上がっていた。番組の最後に「引退は考えていないのか」と聞かれたトシちゃんは、
「できません!」
と断言。その理由は、
「ローンがたっぷり残っているからです!」
生涯現役アイドルとして活躍してくれそうだ。
〈取材・文/渋谷恭太郎〉